就職活動がどうしてもうまくいかず、納得のいく内定がもらえていない時に考える選択肢に就職留年があります。
就活のために敢えて留年を選ぶ就活留年は「新卒」ブランドを守る奥の手です。
ですが本当に就職留年は正しい選択なのでしょうか。
就職留年を視野に入れている人のために就活留年について考えてみました。
目次
就職留年は厳しい世界
就職留年はいくら就職という大義名分はあっても留年をしていることに違いはありません。
その評価は人によって違うもので、申し訳ないですがおすすめも否定もできません。
客観的に考えたメリットとデメリットを挙げます。
留年を選んだ理由に説得力が必要
留年を選んだのが自分にとっては納得のいく結論であったとしてもそのことを他人、ましてや企業の人事担当が理解してくれるとは限りません。
どうして留年を選んだのかということは自分の言葉でしっかりと説明をすることができなければなりません。
- 前年はどうしても就活に時間を割けなかった
- 資格など留年をすることで得たいものがあった
- 自己分析の結果このままでは通用しないと思った
例えば上のような理由が挙げられますが、仮に説得力がある話をすることができたとしても、それを納得してもらえるかどうかやってみなければわかりません。
それだけ留年にはリスクが伴うことは忘れてはなりません。
執念が認められる場合もある
就職留年をポジティブに捉えている企業も少なからずあります。
そうした企業の場合は留年を選んでまで就活に賭けている姿勢を執念として評価してくれます。
人間的に問題がなければ若くて優秀な人材は企業の求めるところですので1年の留年など大した問題ではないということです。
就活留年をしている人の長所は1年多く就活をしているので面接慣れをしていて実力を発揮しやすいところです。
自分にとっても悔いの無い就活ができますし、企業にとっても正しい実力を把握することができます。
生活面のデメリットが多い
就活のためとはいえ大学を留年することはとにかくお金がかかります。
単純に言っても学費が1年分多くかかりますので大きな出費です。
もしもその1年の間に仕事をしていたと考えると、逆に収入がそれなりにあったことになりますのでマイナスの大きさは比べるまでもありません。
デメリットは生活面だけに限らず、大学生活でも友人の大半が既に卒業をしていることになりますので孤立しがちです。
休日等に会っても、社会人と学生とでは見ている世界がまったく違うので会話が合わずに寂しい想いをするかもしれません。
就活留年を成功させるコツ
就活留年が成功するかどうかは自分次第です。
就活に集中することができる時間を確保したことができたからと言って成功するとは限らず、その時間が却ってデメリットになる可能性もあります。
過去の経験を上手に生かす
1度就活を経験していることは初めての人よりも経験値で上回ることになりますが、意地悪な言い方をすれば1度就活を失敗しているとも言えます。
それを振り返ることなく同じやり方をやっていても失敗を繰り返すだけです。
せっかく2度目の就活をしているのですから、前回の良かった点と悪かった点は自己分析をして次に生かさなければ勿体ないです。
それができて初めて就職留年をした価値があるというものです。
自分を律する精神力
大学の単位は問題なく取得できている状態で留年を選べば、留年中にやることはほぼ何もありません。
自分で計画を立てて行動をしなければ、たっぷりある時間に油断してしまってダラダラと時間だけが過ぎることになってしまうので注意しなければなりません。
またどうしても1度経験していることですので就活慣れしてしまっているところもありますので、しっかりと自分を律することができなければ前年よりも酷い結果になってしまうことすらあります。
就活留年以外の方法もある
就活浪人は選択肢の一つにはなりますが、他の選択肢も検討したうえで決めるべきです。
ストレートに就活を成功させるのが一番ではありますが、それが難しい場合は次のような方法もあります。
就職浪人
就職留年と感覚は近いですが、大学は卒業してから再度就職先を探す方法になります。
大学には所属していないので言わばフリーターに近い状態ではありますが、余計な学費は必要ありませんので生活面での負担は小さくなります。
ただし大きなデメリットして「新卒」というブランドが使えなくなってしまい、扱いは転職と同じ枠になることがほとんどです。
なぜ浪人することになったのか、空白期間に何をしていたのかは当然質問されることになりますのでハードルも上がります。
就職留年以上に強い気持ちで臨まないと、ズルズルと何年も仕事がないままになってしまう恐れもあります。
第二新卒
在学中に自分が納得のいく内定先を見つけられなかったとしても、とりあえず就職だけはしておくという考え方です。
そして改めて転職という形で自分のやりたい仕事を見つけていくのです。
辞める前提で就職するのは相手の企業に失礼に思えるかもしれませんが、自分の人生を考えればそうも言っていられません。
働いてみたら合っているということもありますし、在籍中に責任を持った仕事をしていれば問題ありません。
第二新卒は多少とはいえ社会人経験があるということで企業にとってはメリットの多い人材ということになります。
ほぼ新卒と同じ扱いをしている企業も少なくないので、仕事のない期間を持つリスクと天秤にかければとにかく就職だけはしておいた方が良いと言えるでしょう。
大学院進学
就活を早い段階で断念する場合は大学院に進学するという選択肢もあります。
2年間学生期間を延長させることができ、進学という大義名分もあるので面接で特別に回答を考える必要もありません。
しかし大学院は大学以上にハードスケジュールになりますのでスケジュールの自己管理が出来ていないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
就活を先延ばしするためだけの軽い気持ちで進学をすると苦しい想いをすることになってしまいます。
まとめ
新卒ブランドは重要なものではありますが、固執し過ぎは危険です。
就職留年をしてでも新卒ブランドを守っていけば将来的に成功を収めることができるかもしれませんが、肝心の就職までのハードルは少なくありません。
就職留年を選ぶのであれば、強い気持ちで自分を律していくように努めてください。