自分が志望する企業を探す際に絶対に見なければならないのが募集要項です。
どんなにあなたが志を持っていても企業にきちんとした労働環境がなければ自分を犠牲にして働くだけになってしまいます。
ですが募集要項の言葉は少しわかりにくくて混乱してしまうものです。
そこで募集要項の読み取り方についてご説明します。
目次
まずは基本的な項目を確認
募集要項を見る前にまずは基本的な項目についての意味を理解しておきましょう。
どこの企業も同じということはありませんのでよく比べてみてください。
勤務時間
勤務時間は自分のライフスタイルを構築していくうえでは絶対に見逃せません。
どこの企業も9時始業と決まっているわけではなく、業種によってもバラバラです。
「フレックスタイム制」を敷いている企業もありますが、フレックスタイムとは簡単に言えば自分で勤務時間を決めることができる仕組みです。
そうとは言っても1日の合計就労時間は定められていますし、「コアタイム」という必ず就労していなければならない時間帯も決められている場合は大半です。
仕事は自分一人でするものではありませんので、ある程度は歩幅を合わせることになります。
残業手当
既定の勤務時間を過ぎてもお仕事をした場合に発生するのが残業代です。
残業代が正当に支払われない企業はいわゆるブラック企業ですので論ずるまでもありませんが、一般の企業でも思ったような残業代がもらえないことがあります。
それが「みなし労働時間制」という制度です。
みなし残業や固定残業代と言われた方がわかりやすいかもしれませんね。
この場合、残業代はあらかじめ給与の中に固定で組み込まれていて残業をしてもしなくても同じ残業代が支払われます。
お客さんの都合で残業時間がコントロールしにくい営業職や作業進捗次第で時間が動く技術職などで使われることが多いです。
極論を言えば残業をしていなくても残業代に相当する額がもらえるという魅力がありますが、支払っている分は帰らせないという社風の企業も少なからずありますので要注意です。
賞与・昇給
賞与はボーナスのこと、昇給は基本給が見直される可能性のことです。
賞与が年2回と書いてある場合は年に2回ボーナスのチャンスがあるということです。
気をつけないといけないのはあくまでチャンスが年2回あるだけで絶対にもらえるわけではないということです。
同様に昇給も文字だけ読めばお給料が上がりそうですが、業績や個人の実績によっては下がる可能性もあるということは覚えておきましょう。
福利厚生
社員が安心して仕事をすることができる環境を用意するために企業には福利厚生の制度があります。
ですが福利厚生には企業に義務化されている法定福利と義務ではない法定外福利があります。
そのため福利厚生が完備とされていても実は最低限の法定福利だけであとはパッとしないということもあり得ます。
でもそもそも法定福利はあって当たり前ですのでわざわざ宣伝することではありませんよね。
募集要項をチェックする際の注意点
募集要項の内容を読み取ることは簡単ではなく、特にこれから会社勤めをするという新卒の方にはあまりイメージがつかないものかもしれません。
だからこそ自分にできることから気を付けていく必要があります。
労働条件に惑わされない
募集要項に過酷な条件を書く企業はそうはないので、募集要項に書いてあることをそのまま鵜のみにするのは危険です。
都合の良いことばかりが書いてあるようなら実態についてはもう少し突っ込んだ質問が必要です。
わからない言葉は調べること
募集要項に書いてある言葉は聞き慣れない,ものが多いですが、なまじ字を見るとなんとなく想像をできてしまいそうな気がするのが厄介です。
ですがわからない言葉はそのままにしてはいけません。
後述しますがひっかけ問題のような誤解を招きやすい言葉も多くありますので、わかりにくい言葉は確実に調べておくようにしましょう。
相場を把握してくこと
募集要項を確認してもそれが良い条件なのがそれほどでもないのかは仕事をしたことがなければわかりません。
年間休日を例に挙げると104日あれば週休2日が確保されていて問題なさそうに見えますが、他の企業はそれよりも20日以上多いものです。
このように相場を知っておかなければ募集要項の内容を判断することはできません。
勤務時間やお給料など業界によっても相場は変わってきますので、受ける気がない企業でも募集要項は見ておくと参考になります。
募集要項は保存しておくこと
募集要項とあまりにかけ離れた実態の企業であった場合は募集内容が虚偽であったことになります。
内定をもらってから翻さることがあった場合に「話が違う」と訴えようにも証拠は消されていることがほとんどです。
そうならないためには募集要項は予め印刷や画像として保存する癖を付けておいた方が良いです。
会社説明会の時なども、手元に置いておくと質問がしやすくなります。
落とし穴となる言葉
企業が募集要項で保証している条件の中には完全支給ではないケースもあります。
よく確認しなければ後で驚くことになりますのでまぎらわしい言葉には特に注意が必要です。
週休2日制
週休2日制と聞けば多くの人は土日休み、またはシフト制で週に2回の休みが確保されていると思うでしょう。
ところがそれは「完全」週休2日制の話であり、週休2日制の本当の意味は1ヶ月に週休2日の週があるというだけなのです。
つまり6勤の週もざらにあるということですので、休みを期待していると衝撃が大きいです。
ちなみに私は新卒で入社してからその事実を知りました。
交通費支給
お休みと同様に交通費も「完全」と書かれていない限りは条件が設定されています。
金額の上限や距離が設定されていたり、会社から指定されたルートでしか支給がされないなどパターンがあり、遠方から通うことになる際には不利になります。
支給額
支給額は特に記載がない限りは一般的には額面の金額となっています。
そこから保険料や税金が引かれますので実際に手元に入るいわゆる手取りはさらに減った金額となるのが普通です。
つまり記載の金額が魅力的にみえても、実際にその額が丸々もらえるわけではないので舞い上がらないようにしてくださいということです。
まとめ
強く志望している企業があれば募集要項などそれほど重視していないという人も少なくないでしょうが、労働条件の設定は長く働くには大事なことです。
もちろん自分の望み通りの条件で働くことは相当に実力をつけて請われて転職しない限りは難しいですが、なるべくは自分に合った条件の企業に就職したいものですよね。
募集要項を正しく読み取ることができるようになれば無駄な面接なども減らすことが出来ますので、しっかりと読み込む習慣をつけておくことをおすすめします。