就職活動をしている時はなるべく大きな企業に入社したいと考える人は多いのではないでしょうか。
中小企業と聞くと不安定な印象を持つこともあるでしょうが、その認識はあり正しくありません。
中小企業に中小企業の良いところがあるので、それを理解した就職活動をして自分が本当にやりたいことを見逃さないようにしましょう。
目次
中小企業の定義
まず中小企業とはどんな企業であるかという話ですが、条件は業種によって少し違います。
例えば製造業であれば資本金3億円以下で従業員は300人以下、サービス業なら資本金5,000万円以下で従業員100人以下などです。
あまりピンと来ないですよね。
ですが、この条件ですと日本の企業のなんと99.7%は中小企業なのです。
中小企業で働いている人も68.8%となっていますので、中小企業で働く可能性の方が遥かに高いと言えます。
また、大企業の方が目立っているのは事実ですが、日本の経済を支えているのは中小企業だと言うこともできるでしょう。
中小企業の特徴
中小企業には大企業とは違った特徴があります。
これをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人それぞれですが、前向きに捉えた方が働く上では良いでしょう。
特徴を捉えておけば自分が働きたい企業も見えてきます。
自分の責任範囲が広い
中小企業は定義にもあるように従業員数はあまり多くありません。
その場合に何が起こるかといえば、人が足りないために個人でやるべきことが多岐に渡ることとなります。
それは一見ハードなようでもありますが、仕事の全貌が把握しやすいという魅力でもあります。
大企業ですと分業制を敷いていることが多いためなかなか仕事の全貌を掴むのは難しく、自分の仕事にやりがいを感じにくいという人もいます。
自分でどんどん仕事をしていきたいタイプの人にとっては自分の希望を叶えやすいでしょう。
実力があれば評価がされやすい
企業にとって人材は宝でありますが、中小企業にとってそれは大企業以上に切実な問題です。
なぜなら優秀な人材というのはなかなか育ちにくく、毎年多くの新入社員が入る企業に比べて替えが聞かない存在になりやすいからです。
また、活躍次第ではライバルが多い大企業よりも若くして出世のチャンスを掴むことができる確率も高まるという点も注目です。
大企業は人数に加えて様々なしがらみがあってなかなか評価を高めていくのは大変ですが、中小企業は優秀な人材であれば適切に評価しなければ転職されてしまう恐れがあります。
社内で必要とされる人物を目指したいのであれば、中小企業は十分ありです。
人間関係が密になりやすい
中小企業の場合は人の人数が限られており、企業によっては異動の機会が少ないので人間関係が密になりやすいです。
大企業ですと同じ企業に勤めていても交流することもないということはよくありますが、中小企業の規模であれば仕事で何かと絡むことは多くなりやすいです。
よくあるアットホームな職場というのは中小企業で多いパターンでしょう。
ただしこの人間関係が密であることは良好であれば非常に心強く仕事もやりやすくなるでしょうが、反対に合わない時には仕事そのものに影響を及ぼすことは留意してください。
中小企業で働くことは負けではない
誤解をしている人が少なくないのは、中小企業で働いていることが負け組のように思ってしまうということです。
特に大企業を志望している人の中には中小企業が全く候補に入ってない場合もあるでしょうが、そのような誤解は視野を狭くするだけですので何の得にもなりません。
大企業に負けない働き方はできる
中小企業が絶対に大企業に勝てないということはありません。
もちろん大企業の方が動かす金額も大きければ社員の待遇も良いというケースは大半ではありますが、中小企業の中には専門分野に特化していて他社に全く引けを取らないということもよくある話です。
多角化を選ばす、敢えてその規模に留めているという企業も存在します。
全社的な事業規模では太刀打ちできないとしても、誇りを持った仕事はいくらでもすることは可能です。
中小企業を甘くみてはいけない
中小企業で働くことを負けだと思い込んでいる人は、結果的に中小企業のことを甘くみているということでもあります。
しかし言うまでもなく中小企業だからと言って仕事が楽だということもなければ、周囲の人が優秀ではないということなどあり得ません。
ましてやみなさんはまだ社会人のスタートラインにも立っていないので、その企業でずっと頑張ってきた人とは足元にも及ばないレベルでしかないのです。
もしも中小企業のことをバカにしている気持ちがあるのであれば、即刻改めなければ痛い目をみることになるでしょう。
中小企業はステップアップにつながる
ドライに考えるのであれば、中小企業で働くことを将来のステップアップに役立てるという発想もあります。
ご紹介した通り、中小企業で自分であれば担当する仕事の範囲は広いですし、活躍次第で早々に会社の上位に食い込むチャンスはあります。
そうすると自然と経営者目線の感覚が身についてきますので、転職を考えた時にもそれは有利に働きます。
中小企業でしっかりと仕事をすることで自分のレベルは確実にアップしますので、その先の人生の選択肢を増やしてくれることにもなるのです。
デメリットもある
中小企業の良いとことを中心にご紹介してきましたが、中小企業にはやはりそれなりのリスクがあることは確かです。
どんな大企業でも安泰ということはあり得ないのですが、中小企業はそのリスクがさらに高いので、就職後も常にアンテナは張っておき、脱出のタイミングは計ることになるでしょう。
細かなリスクを挙げていくとキリがないのでたった1つだけ強調しておくとすると、企業としての体力面のハンデは大きいです。
企業の体力は言わば資金力ですが、この度の新型コロナウィルスの蔓延などのような特殊な事態が起こった時に余力があるかないかで会社が生き残れるか否かは変わってきます。
コロナウィルスは世界的な問題ですが、これほどの大事ではなくても業界で何か逆風が起こった時などは体力も他の収入源もない中小企業から淘汰されていきます。
特定の取引先への依存度が高い場合もその企業の方針一つで吹き飛ぶ可能性もあってしまうのです。
そのため、中小企業を選ぶにしても伸びしろのある業種であるかどうかや、収入源がどうなっているかの企業研究は徹底的に行うことをお勧めします。
まとめ
最後は少し暗くなってしまいましたが、中小企業が日本の経済を支えているのは事実です。
大手志向で中小企業が見えていない人や、中小企業しか狙えない状況に焦りを感じている人は特にその魅力に気がついて欲しいです。
仕事で大切なのは誇りを持つことですので、自分がする仕事に誇りを持てればどんな企業であってもあなたは活躍できることでしょう。