新卒の履歴書やエントリーシートを作成する時、余りその意味を考えずに、いきなり書き出す人も多いと思いますが、先ずはその意味と、必要な内容、記述のステップなどのポイントを例を交えてお伝えします。
また、つい内容が重複しそうになるのが「志望動機」と「自己PR」ですが、どんな区別をしたら良いかなどもアドバイスしていきます。
目次
志望動機のポイント
志望動機は簡単に言うと、その会社で働きたいと思った理由のことですが、実は合格する志望動機には、一定のセオリーがあります。
志望動機は会社と自分の交差点
志望動機の内容は、会社が大切にしていることと、自分が大事にしていることや好きなことの「交点」を書くことが、最も大切です。
志望動機のストライクゾーンであるといえます。ストライクゾーンを外すと、不合格のリスクが高まります。
例えば、「貴社の福利厚生制度が魅力で志望しました」と書いた場合、人事担当者はどう判断するか?ということです。自分がいくら会社の良い点だったとしても、会社がそれほど重要視していない点を書いた場合、不合格のリスクが高まります。
志望動機のステップ
志望動機は、「結論」「理由」「決意」のステップで記述しましょう。
このステップで記述すると、人事担当者に伝わりやすく、落とせない履歴書になります。
人気企業になると、何百~何千というエントリーシートや履歴書が人事担当者の元に集まります。
よく、志望した背景を長々と書く学生がいますが、先ず最後まで読んでもらえないと思った方が良いでしょう。
そもそも人事担当者には時間が無いということと、そんな結論から記述できない学生は、「入社しても仕事が出来ない新卒」と考えられているからです。
そして最後に、「決意」のステップで、入社後にどんな風に活躍したいかを述べます。
このステップは、受験者の本気度を伝えるためのものです。ただ単に内定が欲しいだけの学生と、本気で入社を希望している学生が、ここで判別できるわけです。
自己PRのポイント
自己PRとは、決して自慢話をするコーナーではありません。自分の能力が、如何にその会社の事業に貢献できるかを訴えるものです。やはり、志望動機と同様、自己PRにも一定のセオリーが存在します。
自己PRは自分が出来ることと会社が求めていることの交点
自己PRは志望する企業の望む能力の中で、自分が出来る事を書いていきましょう。会社が望みもしないことが出来たとしても、それは単なる自慢話にしか過ぎません。
たとえ、自分が頑張ったことが、直接その会社の業務に関係なくても、「頑張ったことがこういう風に貴社に活かせる」という記述があればOKです。
自己PRのステップ
自己PRも志望動機と同様、「結論」「理由」「決意」というステップで記述していきます。
まず、「結論」のステップでは、「私は〇〇が出来ます」とか、「私は〇〇が得意です」といった、自分のPRポイントを端的に述べます。
自己PRの出だしで最もいけないのが、「私は大学時代〇〇に所属していて、○○大会に優勝し・・・・」などと、前置きが長いパターンです。
人事担当者は、この受験生の強みは何なのだろうと、最後まで文章を読んで初めてわかるパターンです。まずは、簡潔に言い切ることが重要です。
さらに、次の「理由」のステップでは、その強みが得られたきっかけや体験を述べていきます。自己PRが苦手な受験生の多くが、この理由を先に述べるために、不合格になっています。
志望動機と自己PRの重複を防止するには?
志望動機と自己PRはとかく混同されやすく、重複しやすいものです。どうしたらそれを防止できるでしょうか?
エントリーシートや履歴書を書く際のまとめ方
また、エントリーシートや履歴書を書く場合、いきなり文章を書き始めずに、まず文章を作るためのネタを準備しましょう。
文章を書くのが苦手という人の多くは、文章を考えながら書く癖がついているために、なかなかうまくいかないのです。まずは、時間を有効に使うために、材料から準備していきましょう。
重複なく材料を準備するためには、内容をキーワードにして目に見える形でリストアップすると良いでしょう。
例えば、
- 自分の価値観 ・・・・・・ 好きな事、嫌いな事、趣味、習慣など
- 会社の価値観 ・・・・・・ 経営理念、経営方針、求める人物像など
- 自分の得意な事・・・・・・ 科目、スポーツなどの実績、失敗から得られたことなど
- 会社の求める技術、能力・・ 求める資格・経験、資質など
のように整理した後、①×②=志望動機、②×③=自己PRと考えるわけです。
このリストアップするという方法は、全ての文章技術に通じたノウハウです。一度①と③をリストアップしておけば、②と④は受験企業が変わるたびに入れ替えていけばいいだけです。