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新卒の方にとって初めての就職活動。わからないことだらけで不安もいっぱいでしょう。その上いざ面接を受けようとしている会社が問題視されているブラック企業かどうか見抜くなど至難の業だと思います。
ここではそんな新卒の方々の将来のためにも、会社がブラック企業であるかどうか見抜くためのポイントをご紹介したいと思います。

ブラック企業を見抜くためのポイント

就職活動にあたり、誰しも先行き見えない不安に心を支配されるものです。ましてや初めての就職活動となる新卒者の方々にとっては、まさに未知の世界といえるでしょう。

就職活動においては、履歴書・職務経歴書の事前送付による書類選考や、個人面接や集団面接など多種にわたり、その人となり及び能力を企業が判断し、それにより採用するのか不採用とするのかを決定していきます。

そのため多くの方々は、採用されることを第一目標として定め、より人事担当者の目に留まる履歴書・職務経歴書の書き方、より印象に残るための面接時におけるシミュレーションなど事前準備に余念がありません。

しかしその中で、果たして面接を受けるその企業が果たしてブラック企業なのかどうかなど気に留めることはあるのでしょうか?

これまで人事担当者として携わった経験及び自分自身が実際にブラック企業と呼べる会社で働いたことのある経験などから、私なりのブラック企業であるかどうかある程度見極めるポイントを紹介したいと思います。

ポイント①:面接で必ず突っ込んで聞くべき質問

私がおすすめするブラック企業かどうか見極めるポイントとして、面接時における面接応募者から人事担当者に逆質問する時を挙げます。

面接においては、新卒者だろうが中卒者だろうが関係なく、最初は自己紹介やこれまでの自分の経歴紹介、そして志望動機など次第に踏み込んだ質問へと移り変わります。時にはこのセオリーにない、まったく予想不可能とも思える質問を投げかける人事担当者もおります。

まさに面接とはその時その時で様相を変える生き物のようです。それらからその人となりの人格・判断力・思考力などを客観的に判断していくのですが、人事担当者としてその人となりのこの会社における思いやどれだけ真剣に考えているのか、その人となりの熱意やエネルギーをはかり知りたいと思い投げかける質問があります。

それはだいたい面接終盤あるいは面接最後になるかと思いますが、人事担当者より

  • 「最後に何かそちらから質問はありませんか?」
  • 「これまでで何か気になったことなどありませんか?」

などといった内容です。これまで人事担当者から面接応募者に質問を投げかけた上で、逆に質問はないかと問いかけるのです。

おそらく面接に関する参考書などでもこの質問は採否を左右するほどの最大のアピールポイントであると紹介されているかと思います。

それは確かなことです。

約一時間も面接会場にていろいろと話をしていけば、途中で何かしら疑問に思う点や確認しておきたい点などが出てきても不思議ではありません。

しかも何かないかと催促してもらえるのですから、「特にありません」ではこの面接自体がたいして思い入れがなかったのかという少々残念な気持ちや余韻が残ることになるのです。

投げかける質問として代表的な例としては、下記のとおりです。

  • 「業務内容について参考にさせていただきたいと思いますので、ぜひもう少し詳しくお聞かせいただけませんでしょうか?」
  • 「私自身○○を得意としておりますが、ぜひ御社でもこの経験を活かしたいと考えますが、そういったチャンスはございますか?」
  • 「御社では私のような年齢層の方がどれほど働いていらっしゃるのでしょうか?」

以上私が人事担当者として逆質問された内容です。正直こういった質問をしてもらえると、

  • 「この方はとても意欲があるな」
  • 「真剣にわが社で働きたいと考えてくれているのがよくわかる」

という気持ちになります。こういった気持ちにさせてくれる方は、ぜひ採用したいと考えるものです。ぜひ何か必ず質問しましょう。

長くなりましたが、その質問においてその企業がブラックかどうか見抜く質問を放り込みます。

これは正直度胸のいることかもしれません。なぜならこの質問をすること自体でその人事担当者が怪訝そうな顔をし、不採用となる可能性があるからです。

その質問としては下記のとおりです。

  • 「御社では勤務時間や残業時間などをどのような方法・体制で管理されていますでしょうか?」
  • 「入社後に雇用契約書締結などございますでしょうか?」
  • 「御社での就業規則などはどのように周知徹底されているのでしょうか?」

以上です。後述でも触れますが、「残業時間」「雇用契約書」「就業規則」といった言葉を絡めた質問をするのです。

はっきり言いますが、これら質問をして、人事担当者がうろたえる、怪訝そうな顔をする、あるいははぐらかすなど明らかにマイナスな印象を感じ取られた場合は私ならばこの会社はブラック企業であると判断します。

 

さらには後日不採用という結果が伝えられたとすればもはや確信します。

何故ならばブラック企業と呼ばれる会社は、これらキーワードに対して不備だらけの会社体質だからです。しっかりとしたホワイト企業であれば人事担当者が誠意もってきちんと説明します。というよりも実際に行っているので応えられて当然です。

面接時においてすでにこれだけで部落かどうか判断できる材料があるのです。リスクと感じられるかもしれませんが、ご自分の将来をホワイト企業で捧げ精いっぱい会社貢献するためにも、しっかりと質問しましょう。ご自分を守るためです。

ポイント②:タイムカードか出勤簿か

これは私が人事担当者である以前に、実際に以前ブラック企業と呼べる会社で働いたことがあるゆえのポイント紹介となります。

今残業代の未払いや働き方改革など、これまでの会社における従業員の働き方に対する意識そのものが大きく変わりつつあります。時代は変わりゆく中、いまだ残業代未払いなどといった由々しき問題が存在するのも事実です。

もはや「身を粉にして、家庭を犠牲にして会社に尽くす」という一種の迷信化された美徳は通用しません。ブラック企業の特徴としてはこの悪しき風土をいまだ改善できない点にあります。

残業代未払い自体問題であることは承知していても、風土を変えられないという意識なのでしょうか。以前私が働いていた会社も残業代未払いによる労働局の立ち入り調査を受けました。

その時はまだ私自身が総務経理として経験が浅い中でしたが、その会社は出退勤時間や残業時間の管理はタイムカードではなく、出勤簿で管理しておりました。要は出勤したらその日にサインか印鑑を押すだけで、何時から何時まで働いたのかなどといった記録は一切残りません。

ですから幾ら残業しようが出勤した事実しか残らず、給与計算上は残業時間に対する計算など行えるはずがありません。

その悪しき習慣を労働局によって突っ込まれたのです。経営者には都合がよすぎるこの悪しき習慣は、その後タイムカードへと変わりました。それは当然です。時代の流れに合っていません。

ですからこれは採用された後にわかることなのか、面接時に突っ込んだ質問をしてわかるのか判別できませんが、少なくともこの現代において出退勤時間がしっかりと明記されないような体制の場合は、迷うことなく残業代未払いのブラック企業であるといえます。

 

この点は本当にご自分の身を滅ぼしかねない事態を招きます。ぜひ真剣に考えてほしいと思います

ポイント③:就業規則や雇用契約書の存在はしっかりと確認すること

会社に勤めだせば、当然多くの決まり事を守らねばなりません。遅刻・欠勤はもちろんのこと、業務に関してはその度合いによっては罰則が科せられることすらあります。それはなぜか?会社にも「就業規則」という法律が存在するからです。

この就業規則は会社によってその中身も適用方法も基準もさまざまですが、唯一共通する点としては全従業員がいつでも閲覧できるように公開管理されていなければなりません。

ですから面接時にこの就業規則の管理はどうしているのか突っ込んだ質問をするというのは大事な事なのです。ブラック企業であれば、公開閲覧はおろか見たことすらない従業員ばかりの会社だからです。

 

面接時にはぐらかすといった態度を見せれば、それはおそらくそういった管理体制がなされていないのだと思います。もし採用後であったとしても、就業規則を見せてほしいと担当者に尋ねた時によりはっきりするかと思います。

それに付随し必ず必要となるのが雇用契約書です。

従業員とは経営者にとって、契約によって成り立っている存在です。従業員は定められた就業規則の範囲内で行動しなければなりませんが、経営者は就業規則に定められたことは最低限守らねばなりません。

それは給与体系・残業代・有給休暇取得などさまざま。それらを契約として明確化する手続きが「雇用契約書締結」です。

私も毎年会社決算の期が変わる前に全従業員の給与査定による就業規則改定及び雇用契約書作成を行います。その契約書を従業員の方々全員に配布し、内容を確認の上締結し提出してもらいます。雇用契約書は通常会社提出が一部、その同じ内容を控えとして一部自身で保管することになります。ですから採用後でもいいのですが、諸先輩方に雇用契約書は一部控えとして持っているかどうか確認すべきです。

それだけで会社体制として確立しているかどうか判別できます。

面接時にこちらから質問した場合、しっかりとした企業であればこのあたりを踏まえてきちんと説明します。これも大事なポイントです。

まとめ

以上ブラック企業かどうかある程度見抜くポイントを私なりに紹介しました。

何と言ってもまずは面接時に思い切って踏み込んだ質問をすることが大事かと思います。

確かにこういった質問をすること自体、かなり度胸のいることだと思いますが、一番大事なことは何でしょか?面接時にこれらリスクの高い質問を避け、人事担当者に気に入られることでしょうか?当たり障りのない質問をして、採用件数を増やすことでしょうか?

一番大事なのは「この会社に採用してもらえて良かった。一生この会社で働きたい」と思える会社に巡り合うことではないでしょうか?ご自分の将来はご自分で切り開くもの。と同時にご自分で守らねばなりません。

どうか本当に良き会社に巡り合えることを期待しております。頑張ってください。

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