新卒の方にとって初めての就職活動。わからないことだらけで不安もいっぱいでしょう。その上いざ面接を受けようとしている会社が問題視されているブラック企業かどうか見抜くなど至難の業だと思います。
ここでは絶対的とは言いませんが、参考にしていただきたい見抜き方を紹介します。今回紹介の対象となるのは、ハローワークに掲載される求人案件の内容などからその是非を判断する方法です。
ブラック企業を見抜く方法
就職活動にあたり、誰しも先行き見えない不安に心を支配されるものです。ましてや初めての就職活動となる新卒者の方々にとっては、まさに未知の世界といえるでしょう。
新卒者のみならず就職活動を行う上で欠かせないのが、ハローワークでの求人案件検索ではないでしょうか。毎日数多くの職種の求人案件がパソコン上で掲載されております。しかし実はその掲載内容などからある程度良い職場かどうか判断できるポイントというものが存在します。
ここではそういったポイントから良い職場なのか、はたまたブラック企業なのか参考にしていただきたいと思います。
求人票に掲載される応募人数
ハローワークに行くと、かならず建物内に何台ものパソコンが準備されております。もちろんこのパソコンこそが就職活動の糧となる求人票が検索・閲覧できるためのものなのです。この求人票に採用応募を図る企業名や採用職種、さらには採用するにあたって定められた給与内容など、その会社情報がさまざま掲載されております。
その数ある求人票の中から、自分が希望したい求人票を印刷し、プリントアウトされた用紙を窓口に提出し、担当窓口の方が直接面接の是非などを含めて相手先に連絡してくれます。おおよそハローワークでの就職活動の流れといえばこういったところです。
それは求人票の部分で言えば用紙の右半分の真ん中下あたりの求人応募人数です。何故この人数がその会社を映し出しているのか、そしてそれからブラック企業かどうか一定の判断ができるのかということですが、結論から言ってしまうと、応募人数が多いところほど極端な人材不足に陥っていると判断できるからです。
人事担当者である私の経験上、普通は何かしらの理由で退職者が出れば、その人数に応じて採用するものです。いくら応募者がいても、あくまで欠員が出た人数しか採用しないものです。
そこには人件費の絡みもありますし、一気に新卒者などの経験が乏しい方々が入社されても、それを一気にまとめて指導するにも手間がかかりすぎます。要は椅子取りゲームを連想していただきたいのですが、あくまで空いているイスの数は決まっており、その分しか採用しないものなのです。
そういった事情があるにもかかわらず、求人票には通常1,2人しか採用しないパターンがほとんどであるにも関わらず、3人や時にはいきなり6人などといった大枠採用が掲載されている求人票を拝見することがあります。人事担当者から言わせれば「そんな馬鹿な」と思ってしまいます。
ではなぜ応募人数が多いとブラック企業として疑ってしまうのかといえば、単純な話ですがそれだけ応募するということは先ほどの椅子取りゲームに当てはめれば、それだけ椅子に空きがあるということ、いいかえれば退職者がそれだけ発生したということになります。
ただ一つ注意したいのはその採用理由です。
こちらも求人票に掲載されておりますが、いくら大量募集でも「欠員補充」と「事業拡張による人員拡充」とでは大きく違います。
事業拡張のように、例えば工場そのものを大きく増築などすればそれだけ生産量も増えますし、それに伴い人手も物理的に増やさねばなりません。事業拡張できること自体、会社そのものが順調であるという一種の目安にもなりますし、そういった場合の大量募集という事案は確かに存在します。ですからこの場合は大量退職によるものではありませんし、このパターンはブラック企業であるとは断定しかねます。
ただ大量募集である上に採用理由に「欠員補充」と記載されている場合は要注意です。6人もの欠員がでたための補充です。普通会社でいきなり6人もの退職者が出ることなどなかなかあり得ません。そこにはおそらくですが会社内で従業員とのトラブルが発生し、そのまま一気に退職してしまったのではないでしょうか?その理由は何であるかまでは断定できませんが、少なくともこれほどまで退職者を出す会社は決して優良とは言えません。ここは最初のポイントだといえます。
掲載されている期間
パソコン画面上でも確認できますし、プリントアウトした求人票の上部にも記載されておりますが、その求人票がいつ掲載されたのかその日付が確認できます。実はこの掲載されてからご自身がパソコン上などで閲覧したそれまでの期間はかなり重要な判断基準となりえます。
そもそも多くの求人票の中で、掲載されてもすぐに採用者が決まり、掲載を取りやめる求人案件というものが存在します。それは言い換えればそれだけ就職希望者にとって人気が集中する求人案件であり、即応募者が殺到したということだと考えられます。
では人気が集中する求人案件の特徴といえば
- 給与待遇が良いパターン
- 職務内容が受け入れられ、そして理解しやすいものであるパターン
- その会社そのものがもともと従業員にとって良き職場であり、世間の職場イメージが良いものと理解されているパターン
などです。この中でも③はとても重要な事なのです。実は逆に悪しき職場環境である会社というものはどうしても口コミで自然に噂として広まってしまうものです。会社イメージとはそれほど重要なものだといえます。
このことから判断できることですが、掲載された日から2か月、はたまた3か月も過ぎているにもかかわらずいまだハローワークで閲覧できる求人案件は、いまだ採用者が決まっていないということになります。
勿論採用が決まっていないということは、そこまで採用にふさわしい人材が応募してきていないために、我慢して期待を込めてそういった人材を待っているということも考えられます。しかし良い人材ほど良い会社に流れていくものです。
ではその求人案件に何人応募があったのか確認できる方法があります。その確認方法とは、求人票をプリントアウトし担当窓口に持っていき直接尋ねることです。実はハローワーク窓口は、何も面接連絡してもらうだけでなく、この求人案件の応募人数に対して現時点で何人の応募があるのか確認してもらえるのです。
そこで判断できることは、掲載期間が長いのは採用人数に対して多くの応募者がいて選考に時間がかかっているパターン、良き人材に巡り合うまで採用を我慢しているパターンなど存在します。
ただ長い期間掲載されているにもかかわらず応募人数がほとんどいない場合は要注意です。先ほども申しましたが、良い求人案件ほど早々に決まっていくのです。
ですから求人票を閲覧する際は、この掲載時期はしっかりと確認してください。
掲載期間が長いということは何かしらの理由がある場合が多いのです。
掲載されているページ
こちらも上述に関連する内容ですが、ハローワークでのパソコンで求人票を閲覧する際に、その求人票は最初のページから数えて何番目の画面に現れるかということです。
すでに何度か申しておりますが、良い求人案件ほど早々に決まっていきます。逆に言えば会社イメージが悪いうわさでささやかれるブラック企業と思える求人案件は最後まで残るというものです。
通常であれば求人検索した場合、最初に閲覧できる求人票はその閲覧する日の前日に新着情報としてハローワークが受理したものであるかと思います。そこから掲載日をさかのぼって徐々に古いものへと変わっていきます。
すでにお気づきでしょうが掲載期間同様、ページが最後に近ければ近いほど長い間採用者が決まっていないということです。さらには求人票に掲載されることが度々あるキーワードに「急募」というものがあります。これは何かしらの事情により、まさに急ぎ募集してできるだけ早く採用したいという会社の思惑を素直に記載したパターンです。
もしも「急募」と記載されていながら、掲載期間からとうに時間が過ぎ、最後のページあたりに掲載されてる求人案件はまず疑ってみるべきでしょう。急いでいるにもかかわらず、なかなか採用が決まらないという事態はそれだけ何かしら問題があるのではないかと慎重に疑ってみるべきです。