エンジニアとして社会で活躍したいと考えている就活生はたくさんいらっしゃるかと思います。エンジニアでよくありがちなのが、入社した企業で、「やりたかった仕事はこれではなかった」というミスマッチです。
これは就職活動の段階から自分のやりたいことを明確にしていれば防げることです。今回はこのミスマッチを防ぐために、どういう点に気をつけて就職活動を進めていくかについて解説します。
BtoCかBtoBか
まず大切なのは働きたい分野はBtoCすなわち一般のお客さまを顧客とするのか、BtoBいわゆる企業を顧客とするのかの違いを理解しておくことです。
一見すると、どちらも顧客の求めるものを作るなり開発するなりということですので、違いが分かりづらいですが、エンジニアとしての動きは大きく変わってきます。
BtoCの場合、作る製品は企業側でマーケティングし、世の中のニーズに沿ったものを作るということになります。ここにはある程度、開発する側の企業の要求を加えることもできるでしょうし、開発者側に自由度が多少なりともあります。
一方で、BtoBの場合、どんなものを作って欲しいかはユーザーである企業から直接の要求を受けることとなります。
これは、通常なかなか作ることのできないオリジナルの製品やシステムを作ることのできる可能性がある一方で、ユーザーの要求を満たす必要がるため、自分のやりたいように作ることはできなくなります。
企業によってはBtoC向けの製品も、BtoB向けの製品も開発しており、この場合は部門が異なることが多いので、この違いを理解した上で、志望部門を検討しておく必要があるのです。
ユーザー側で要求を出す
エンジニアであってもユーザー側企業で、要求仕様を出していくという分野もあります。
誰かに言われたものを作ることに抵抗のある人はユーザー側で自分が要求したものを作らせる、作ってもらうという選択もあるのです。
この場合、自分自身ががっつりと開発に携わるというわけにはなかなかいきません。また、ユーザー側社内の取りまとめ等も行う必要が出てくるため、面倒な調整役となってしまうことも多々あります。
しかし、自分の意見を製品やシステムに反映しやすいという点は大きな利点であるとも考えることができます。
徹底的に最前線で働く
ユーザーで働くことの対局にあるのが、研究・開発・ものづくりの最前線で働くことでしょう。自分の手を動かし、自分の力で製品やシステムを作り上げたいと考える人は最前線で働くことのできる企業を選択するべきです。
メーカー等に入社すると、実際の業務は下請けなどに外注し、自分たちはその管理やユーザーとの調整役ということもよくあります。
ものづくりをどう定義するかが難しいところですが、メーカーという名前だけで考えるのではなく、自分のやりたいことは何で、それができるところはどこなのかをよく調査する必要があります。
大切なのはどの工程で働きたいか
どんな製品もシステムも、その多くは上流工程と呼ばれる要求仕様の検討から、実際の開発・テストに至るまでさまざまな工程を経て完成します。
このうちの、どの工程で自分は働きたいのかをしっかりと考えることがミスマッチをなくすために大切なことなのです。上に書いたことはその一例です。
ここでミスマッチを起こしてしまうと、「こんなはずじゃなかった」という思いがつ盛り上がって、結果的にすぐに会社を辞めてしまうということにつながってしまいます。
就職活動の段階で、その企業はこの工程のうち、どの部分をカバーしている企業なのかをまずは調査しましょう。
そして、企業によってはいくつもの工程をカバーしているところもありますので、自分が何をやりたいかをはっきりと主張するようにしましょう。
BtoCなのかBtoBなのか、自分はどの工程で働きたいのかが、明確になっていればミスマッチも少なく納得できる就職活動になります。
参考となる業界例
例えば、上流工程で働きたいと考えれば、インフラ系企業や公務員という手もあります。もちろんメーカーでもその工程の業務を行う人はいますので、そのような分野を希望するのもいいでしょう。
一方で、自分の手を動かして実際にものづくりの現場で働きたいと考えれば、メーカーの製造・開発系のグループ会社や製造業を根底から支えている中小企業という選択肢もあります。システムの分野であればソフトウェア開発会社という選択肢もでてきます。
結局のところ、どれが良い悪いでなく、自分が何をしたいか、それができるのはどこなのかをしっかり検討することが重要なのです。