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就職活動のヤマ場は、当然、採用担当の方との面談・面接の場です。その際に流暢にお話をして、あなたが様々な質問を受けると同時に、会社側の採用担当者は今回の採用にいたる経緯など、説明してくれます。この時の説明が、想定していたよりも、十分に練り上げられており、また、担当者のトークも冴えており、短時間であるにもかかわらず必要十分な情報を提供してくれました。
果たして流暢に話すことは面接の内定に関わってくるのでしょうか?

人事担当者のトークが安定しているのは、同じ内容を話しているから。

新卒で就職活動をするにあたり、アピールするための武器として、学生時代に打ち込んできたことや何やを自分なりに整理し、うまく話せるよう練習していませんか?

友人・知人と時間無制限で話をするのと異なり、初対面の相手に限られた時間で話をするというのは、ある程度の技術と練習が必要です。

ちなみに、男子学生に多いのが、ぶっつけ本番で面接に臨み、思ったように話ができず、撃沈して帰ってくる例です。これは毎年のようにあるもので、面接担当者がかなり助け舟をだしていたりします。かなり偏差値水準の高い大学卒でも見られることですね。

人事担当者側は、原則として、そんな練習はしません。人事部スタッフは大企業はともかくとして、会社の中では直接的な生産部門ではないため、バックオフィス機能として少人数に絞り込まれています。

そして、採用以外の様々な人事・総務部門の業務に従事しており、多忙を極めています。そんな中、複数の就職希望者との時間を捻出し、次へのステップに進めるか否かの判断を行います。

また、どんなに不景気であっても、人事側は選ぶ立場であって、就職希望者は選ばれる立場です。人事担当者は、その時間内に最低限伝えなければならない項目のチェックリストによって、話を進めます。

そして冷静に、あなたの人となりを分析し、採用に足る人物か否かを結論づけます。要は、テストする側とされる側の違いを体感するくらいが普通だということです。

 

会社側の威光を笠に着て、新卒も含め就職希望者にパワハラ・セクハラを働くことは許されるものでありません。しかし、採用面談時に冷たい印象を受けた会社が、中に入ってみると意外に良かったということは、よくあるものです。

一方で、時として人事担当者によるトークが非常に的確であり、また、企業の魅力度をアピールするなど、その場を和ませることに長けた場合があります。

その会社の規模感は今一つであるけれど、手際のよい人事担当者であることが時々あります。それは何を意味するのでしょうか。

それは、その人事担当者が何度も、何度も、何度もその会社の欠員補充のために採用を繰り返し、どういうトークが面接希望者の胸に響くかを経験・体感しているからです。

ある外食企業での面接の話を例に!

外食企業の人事・採用スタッフは一年中、採用活動をしています。なぜなら、欠員が埋まらないからです。人手不足が常態化する中でも、3K職場の代表の一つに外食事業が挙げられています。

外食事業は、日ごろ利用者側視点からなじみやすいかもしれませんが、アルバイトの欠員を社員が補充するのが常態化している産業であり、それを補正するには営業時間短縮を余儀なくされます。特に最近は、長時間・長期間アルバイトする層が少なくなっている傾向にあるのも拍車をかけています。

しかし、個人営業でないかぎり、営業時間の調整を任されるのはSV以上、営業部長か統括する担当役員でしょう。

そうなると、理想と現実の狭間で、こんなはずではなかったと退職する者(もちろん社員店長含む。)が、続出します。営業部門から、人事・総務部門に〇〇店のA店長が退職したい旨の相談があった旨の報告が上がります。 店舗を休業するわけにはいかないものの、アルバイトだけでの店舗運営なんてできません。

そんな悩みを抱えながら、採用活動をする人事担当者は満面の笑みで、面接の場に向かいます。そして、この外食事業の未来・魅力度を的確に説明・アピールし、一緒に働くことを期待する旨を語ります。

なぜ、人事担当者が会社をアピールしてくるのか?

それは、人的資源の面で余裕がないからです。

あなたに入社してほしいからです。一刻も早く確保し、短期間で戦力に育て上げ、現場に投入したいからです。

もし、スタッフにある程度の余裕があり、中長期的な展望から採用活動をしているのであれば、多数の就職希望者の中から、あなたを選別するための良い点・悪い点を見極めることに注力するはずです。そのためにあなたに対する質問中心になるはずです。

そして、その回答をベースに次に進めるか否かを判断します。運よく採用された人は、ある程度の見習い期間の中で複数の職場を経験し、適性に合った職場を人事部門が配属してくれます。

面接は、いつも初対面の場です。人となりなど分からないはずです。その貴方に対して過剰に温かみのある笑顔で接してくること、企業の未来を共有したいと言ってくる時点で、冷静に考えてみて何かおかしいと思っていいのではないでしょうか。

もちろん、そういった会社の人事担当者に悪意があると言いたいわけではありません。要は、人的資源において余裕が無いということ、そして、それゆえに採用担当者が過剰に面接慣れしてしまっているということです。

勤続年数がポイント

このような企業に入社した場合、よく言えば現場中心。率直に表現すれば、教育なしに放り込まれる、ということです。

そして、想像をはるかに超える過剰労働が迎えてくれて、後ろを振り返っても逃げ場はありません。

ただし、「相性」というものもあり、ごくごく少人数ですが、そのような職場に満足する者もおります。会社側は、逃げずに踏みとどまった者を賞賛し、昇進・昇給の見返りも準備します。

 

このような会社に残るのが正解なのか、逃げるのが正解なのかは個々人の判断です。しかし、まだ、入社前であって、面接時に人事担当者に質問が可能であれば、社員の「勤続年数」を聞いてみるのはいかがでしょうか。

社歴が極端に短いスタートアップ企業ならともかく、ある程度の社歴にもかかわらず、幹部社員以外は、勤続年数が極端に短い場合は要注意です。

3年も経てば、スタッフ級は総入れ替えになってしまうような会社に入社しても、3年後の自分の展望は開けるでしょうか。

まとめ

以上のことを要約すると、留意点は、以下のとおりです。

1 面接時には、十分に自己アピールする材料を準備することです。そして、自分への質問中心に展開するのが本来の進め方であるということです。

2 面接担当官の会社アピールが流暢であった場合、要注意です。
アピールするつもりで面接に臨んだのに、会社側にアピールされてばかりという展開になっていたら、冷静に背景を考えましょう。(ただし、素朴に熱意があって、「説明」に勢いがついてしまう担当官もおります。)

3 さりげなく「離職率」を聞きたいところではありますが、表現を穏やかに変えて「勤続年数」を聞いてみることができるかどうかです。

勤続年数の話題で、人事担当者の顔色が曇るか、ストレートに教えてくれるかどうかです。

 

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