IT業界はやや専門的な業界でもあるため、面接でチェックされている部分が他の業界と少し違います。「論理的思考」や「ストレス耐性」など意外な部分を見られていることも。今回はIT業界を志望している学生に向け、IT業界の新卒面接で人事担当がみているポイントを解説していきます。
目次
IT業界の面接では「協調性」をチェックされる
IT業界の新卒面接では、まず「協調性があるか」を見られています。
SEやプログラマーといったITエンジニアは、黙々と一人で作業しているイメージを持つかもしれませんが、実はそうではありません。
IT業界ではプロジェクトやチームを組み、多くの人が協力してITシステムを作っていきます。周囲の人間との連携は必要不可欠です。協調性や意志疎通ができないと、どれだけ技術的なスキルがあっても良い仕事はできないのです。特に新卒で募集する社員は、将来的にチームリーダーやプロジェクトリーダーまでの育成を視野に入れて募集していますので、協調性は強く求められます。
したがって面接では、
- 協調性があるか
- チームプレイができるか
を人事担当はチェックしています。特にグループディスカッションで協調性をチェックしています。グループディスカッションであまり発言をしない人、自分の意見ばかりを述べて周囲を見れない人などは、協調性が無いと判断し不合格とすることもあります。
その他にも、
- 面接で会話のキャッチボールができない
- 質問の意図や、相手の心情を読み取れない
- 学生時代に部活動や研究活動など、チームプレイをした経験がない
こういったことも、IT業界の面接ではマイナスになることがあります。
「論理的思考」もチェックされている
「論理的思考」というのは、道筋を立て論理的に物事を考えられるかの力です。別名「ロジカルシンキング」とも呼ばれますね。IT業界で仕事をするには、この論理的思考も必要不可欠です。ITエンジニアはもちろん、営業職や企画職であってもです。
さてどのように論理的思考をチェックしているかというと、主に次の通り。
- 履歴書やエントリーシートの「自己PR」や「志望動機」を、道筋を立て論理的な構成の文章として書いているか
- 面接時の質問の回答を論理的に述べているか
- 選考時の適正検査(図形や表を使ったもの)で、潜在的な論理的思考をチェック
など。
たとえば志望動機一つにしても、
といったように、単に志望動機をバラバラに並べているだけでは論理性がありませんので、嫌気されることがあります。
ストレス耐性があるかもチェックされている
IT業界は、ストレスの溜まりやすい業界でもあります。やはり他の業界と比べても「うつ病」などを患う人の割合が多いです。精神的に参ってしまい休職する社員も一定数いる業界です。このため人事担当は、あなたにストレス耐性があるかもチェックしています。
さてどのようにストレス耐性をチェックしているかというと、主に次の通り。
- 面接時の受け答えなどから、あなたの性格面をチェック(過去に苦難を乗り越えた経験はあるか、○○な状況に置かれたらどう対応するか など)
- 選考時の「性格診断テスト」で、あなたの潜在的な性格面をチェック
- あえて圧迫面接を行い、ストレスを掛けた時の反応をチェック(ただし圧迫面接は最近は減ってきました)
など
人事担当は面接のプロですので、面接時のちょっとした口調・しぐさ・声の感じなどからも、「あなたはどういう性格か」、「ストレス耐性はあるか」を、入念にチェックしています。
社会人としての最低限のマナーも見られている
IT業界は、マナーや身だしなみについてうるさくないイメージを持っている方もいるかもしれませんが、そんな事はありません。IT業界の面接であっても、これから社会人になる上での最低限のマナーはしっかりとチェックされています。
例えば、
- 面接時の身だしなみはマナーが守れているか
- 正しい敬語や丁寧語が使えるか
- 相手の目を見て、快く対話できるか
- 選考時の電話やメールのやり取りは正しくできているか
など
これらは就活時の基本であり、IT業界であっても同じことです。基本ができていない学生は、面接で不合格となる確率が高まります。
実はあまりチェックされていないのが「技術スキル」
IT業界というと、コンピューター知識やプログラムスキルなど、技術スキルが求められるイメージもあるかと思います。ですが、実はこの部分はそれほど重視していません。
もちろんあるに越したことはないですが、技術スキルが無かったからといって不合格になるのは稀です。実際に文系出身で技術スキルとは縁のない学生でも、採用されている方は沢山います。
新卒や第2新卒の場合、一から育成していくことを前提としていますので、技術スキルよりもパーソナルな面や適性面を重点的にチェックします。逆に、情報学部出身などで技術スキルに富んでいても、パーソナルな面がIT業界とマッチしていない場合は、不合格となることがあります。