私は高齢者福祉関連、すなわち介護の世界に入り10年になります。介護現場に入り、介護士として働き、現在は事業所責任者というポジションで仕事をしています。責任者という立場ですので、今いるスタッフの管理もそうですが、採用面接も数々担当してきました。その中で採用をすると決断を下した中で幾つかの共通点を見つけ出すことができました。
目次
福祉/介護関連の企業面接でのポイント
ご覧いただきありがとうございます。ここでは主に高齢者福祉関連の就職を希望されている方に向けて、採用面接における留意する点を記していきます。
アピールしすぎに注意
ここでは私の体験例とともにポイントをお伝えしていきます。
高齢者福祉の世界は採用間口が広いです。いろんな世代の方が現場に入っていることに加え、無資格でも採用される現場が多数あります。
面接をしていて実にいろんな方々と出会いました。その中で60代男性の方と面接をしたときのことをお伝えします。
その方は今まで行ってきた仕事が定年退職になり、求人情報誌を見て私の仕事場に応募してきました。前職でいろんなことを実践してきた経歴をお持ちの方で、今まで行ってきたことを話されていました。時間にしたら10分は経過していたと思います。
この時点で私の中では黄色信号が出ました。
確かに面接で自分のことをアピールされるのは非常に大事なことです。なぜならアピールされないと採用の判断基準が行いにくくなるからです。
しかし、アピールしすぎも厳禁です。
言い方が偉そうかもしれませんが、人事担当も暇ではありません。時間を割いて作り出しているにも関わらず、その方の実績を聞くだけのために長い時間使う余裕はありません。
会社がどういう人材を求めているのか、きちんと確認する
これを聞くと「そんなこと当たり前じゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これをできない方が多いです。
この項目も体験談を交えて伝えていきます。
この事例は50歳代男性と面談したときのことです。面接の中身自体は問題なく、採用の方向で考えていたのですが、相手方が出してきた条件により私の中で黄色信号が出ました。
私が出した求人広告の中身は「週5勤務、土日祝日出れる方歓迎」という文字を打ち出していました。
あくまで歓迎なので、必ずこの条件に沿わなければいけないわけではないのですが、少なくてもこの条件に近い人、もしくは近づけようと努力しようとする姿勢態度が会社側は欲しいのです。
しかし、面接をしたこの男性は初めから週3くらいの希望で土日は休みたい!とはっきり私に言ってきました。
それでも何か理由がある、もしくは現時点では無理でも例えば半年以内には週5などの勤務にしていただけるプランなどあるのかと思い男性に伺いますが、そんなものはないとキッパリ告げられてしまいました。
こうなってくると採用する側も悩みます。
社会的なルールはきちんと守ろう
この項目に関しては特に新卒に関して言えることです。ただ、ほとんどの新卒の方はきちんとした方々が多いですが、時々私たちが考えられないような言動をされる新卒の方がいらっしゃるので、記載させていただきます。
新卒というのはほとんどの会社で注目されます。雇用側としても次世代を育てることは皆さん考えていらっしゃると思うので、新卒というだけで有利に立つことは多いにあります。
しかし、新卒ゆえにこちらがびっくりするような言動があることもあります。典型的なところでいえば、
- 声が小さいこと
- 面接室のドアをノックしないでいきなり入ってくる
- 帽子を取らない等といった姿勢態度の面
- 謙譲語と尊敬語がゴチャ混ぜになってお話しされる
(例えば「私は◯◯とおっしゃいました」と言われた時には驚きました。自分のことを伝えるときは「申す」等の言葉を使うのが一般的です。)
このように私たちが常識と思っていることを実施しない方々が見受けられます。ただ、それでも新卒なのでこれから教育すれば良いという観点から新卒の方を採用したケースもあります。
今ではよくなっていますが、採用当初は挨拶もできない、遅刻してきたのに謝ることをせず黙々と作業を行う行為にはさすがに怒りました。
しかし、新卒だから仕方ないという思いがあるのも確かです。
ですので、中途採用の方がこのケースと同じようなことをされるとかなり危険です。周りとの関係性を築きにくくなり、仕事がやりづらくなります。
周りの職員からもクレームが責任者の元にいくのも時間の問題です。社会人として最低限ルールは守っていくことをお勧めします。