新卒採用の面接では、面接官から「あなたから何か質問はありませんか?」と聞かれることがあります。
いわゆる「逆質問」というものですね。
なぜ逆質問があるのか、どうやって答えればいいのか、といったポイントを現役で面接官をしている人事担当者が解説します!
目次
逆質問とは?
面接の最後に、面接官から「あなたから何か質問はありませんか?」と聞かれることがあります。応募者から質問する、いわゆる「逆質問」です。
質問できることの自由度が高いので、準備をしていないと混乱してしまい、上手く質問できなかった・・・と後悔したことがある人もいるんじゃないでしょうか。
人と人が話した時、最後に与える印象が全体に効果を及ぼすことを、心理学で「親近効果」と言います。
面接の最後に行われる「逆質問」は、面接全体の印象を左右する大事な質問なのです!
もし面接が盛り上がらなかったとしても、逆質問で良い質問を面接官に投げかけることで、面接官の評価は上がります。反対に、面接はとても良い雰囲気で進んでいたとしても、良くない逆質問をしてしまうと、一気に面接官の評価は下がってしまいます。
逆質問で面接に失敗しないためにも、逆質問のポイントをおさえていきましょう。
なぜ逆質問をするの?
なぜ面接の最後に逆質問されるのか、というポイントを4つ挙げます。
応募者の志望度を知るため
逆質問をするのに、よく企業のことを調べていれば深い質問が出来ますし、反対にあまり調べていなければ浅い質問しか出来ません。志望度の高い応募者は企業のことをよく調べていますので、面接官は、どんな質問されるかで、応募者の志望度を測っています。
しっかり事前準備をして逆質問に臨み、面接官に志望度の高さや、やる気をアピールしましょう!
考える力を知るため
面接官からの質問に答える時と違い、逆質問では応募者から自由に質問ができます。次のような観点で、考える力を見ています。
- ホームページ等からわかる企業の情報を自分なりに考えて疑問に感じる力があるか。
- 感じた疑問を上手くまとめて的確な質問に出来るか。
コミュニケーション能力を知るため
面接は、面接官と応募者の会話のキャッチボールです。次のようなポイントで、面接官はコミュニケーション能力を見ています。
- それまでの流れで面接官が話したことを再度聞いてしまう。
- 面接官の空気を読まずに、給与や残業時間、有給休暇など「ぶっちゃけすぎた質問」をしてしまう。
ただ、「ぶっちゃけた質問」が全てNGではありません。
面接が盛り上がり、何でも聞ける雰囲気が出来ていれば、ぶっちゃけた質問でもOKなこともあります。大事なのは、空気を読むコミュニケーション能力です。
企業をアピールするため
逆質問することは、応募者にとって、興味のあることを聞くチャンスです。
面接官は興味のあることを深掘りして、自社を魅力的に見せたり、疑問や不安に答えることで、良い企業だとアピールし、応募者の志望度を上げようとしています。
逆質問の注意点
逆質問の際に注意したいのは、次の4点です。
面接官が1度説明したことを聞いてしまう。
面接官の話を聞いていないと思われてしまいます。失礼にあたりますし、コミュニケーション能力に欠けると評価されてしまいます。
事前に調べればわかることを聞いてしまう。
「企業研究していないし、興味がないんだな」と面接官に思わせてしまい、マイナスイメージです。採用ホームページや説明会など、企業の情報を入手する方法は沢山あります。「社風」や「仕事の概要」など多くの情報が提供されていますので、必ず目を通してから面接に臨みましょう。
給与や残業時間、有給休暇などの待遇面ばかりを聞いてしまう。
新卒採用の面接の場では、待遇面についてはあまり質問しないのが一般的です。
中途採用の転職活動では、前職と比較できるので話に挙がることもありますが、
新卒では聞かない方がベターでしょう。
待遇面が気になる人は、OB訪問をして先輩社員に聞いてみましょう。受けている会社に先輩がいない、という人は、人事担当者に相談すると先輩社員を紹介してもらえることもあります。
面接官が答えられない、答えにくい質問をする。
面接官は、人事担当の場合もありますが、営業、マーケティング、エンジニアなど様々な職種の現場社員であることもあります。
人事担当であれば、会社全体のことや選考フロー、配属には詳しいと思われますが、現場の具体的な仕事のことは知らないかもしれません。
例えば、営業経験のない人事担当では、「私は営業を希望していますが、今まで営業の仕事で苦労した経験を教えてください。」という質問には答えられないでしょう。
逆質問の準備方法
面接の質問にどうやって答えるか、と事前準備をするのと同じく、逆質問も事前準備が重要です。
面接官は、なぜ応募者がこの質問をするのか、ということを評価しています。自分なりに質問を考えるヒントを探しましょう。
採用ホームページ
採用ホームページは、企業から応募者へのアピールの場なので、情報量がとても多いです。
少なくとも一通りは目を通して、興味が湧いたポイントをいくつか覚えておきましょう。
次のような情報を得られるはずです。
- 社風
- 若手社員のメッセージ
- キャリアイメージ
- 福利厚生制度
企業のIRホームページ
IRというのは、Investor Relationsの略で、企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業務の実績、今後の見通しなどを広報することです。採用ホームページは、企業が応募者にアピールするための場なので、会社の良い部分ばかりを掲載しているケースも多いです。
IRホームページという、違う視点で会社を見ることで、新たな発見ができるケースも多いです。
IRホームページでは、次のような情報が得られます。
- 社長メッセージ
- 企業理念
- 中期経営計画
- 業績についての詳しい説明
- 事業のリスクについての説明
面接官の評価が挙がる逆質問の例
最後に、面接官の評価が上がる逆質問の例を見ていきましょう。
- 御社で活躍している人に、何か共通点はありますか?
- 御社に入社したら、いち早く活躍したいと思っています。もし内定したら何か準備をしておくことはありますか?
- 御社に入社した新入社員が、最初に苦労するのはどんな場面ですか。
- ◯◯様(面接官)が今まで面接してきた中で、”この人は活躍する”と確信できる共通点があれば教えてください
- ◯◯様の今までの仕事の中で、大きな喜びや、やりがいを感じた仕事を教えてください。
- ◯◯様は御社のどういった所に魅力を感じて入社されましたか。
- 採用ホームページに●●とありましたが、具体的にもう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。
仕事に前向きな姿勢や、入社後を具体的にイメージする姿勢を見せて、志望度の高さをアピールしていきましょう。
また、会話であることを意識して、面接官に話を振った場合は会話を広げることも忘れないでください。