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就職活動には必ずと言っていいほど面接はつきものです。しかしどんなに事前にしっかりと面接対策を行って臨んだとしても、結局不採用という結果を受けたことがある方は多いと思います。それまでの努力が報われないもどかしさを感じるとともに「なぜ自分が落とされたのだろう?」と思う瞬間もあると思います。
しかし落とされた理由が何もご自分だけにあるとは限りません。これまで人事・労務管理業務を通じて面接に立ち会ってきた私の観点から面接を落とされる理由を紹介します。これを参考にしていただき、ぜひ落ち込まずにモチベーション維持に努めてほしいと思います。

面接でなんども落ちる理由

面接に向けて何度も頭の中でイメージを膨らませ、時間をかけてしっかりと面接準備を行い万全の態勢で臨んだにもかかわらず不採用の通知。これまでのご自身の努力が泡と消えた気持ちがし、大変ショックを受けるかと思います。その気持ちは当然です。誰だって採用してほしくて面接に臨み、緊張の中色んな質問に対して回答しただけに落ち込むに決まっています。

そして同時に「なぜ自分は面接に落とされたのだろう?」「面接のどの回答が良くなかったのだろう?」と考えてしまうものです。しかもその理由を面接先に後日確認することなど気持ち的にできません。すごく悶々とした気持ちに支配されるはずです。さらには人格否定されたかのような余韻が消えません。

しかし採用する側としては何もご自身のスキルが不足している、人間的に問題があるなどといった理由だけで不採用を決断しているわけではありません。時には別の理由により不採用となることだってあるのです。

ここではどういった理由により不採用という判断を下すのか、人事・労務管理業務を通じて面接に立ち会ってきた私の観点から、その事例などを紹介していきます。
これらを参考にモチベーション維持にお役立ていただきたいと思います。

礼儀・マナーの問題

まず一般的に不採用と即判断するケースは下記のとおりです。要は回答以前の問題なのです。

  • ドアをノックして入室しない
  • 面接官の指示もなしに勝手に席に座る
  • 相手の目を見てしゃべらない
  • 面接中手や足を組んで話す
  • スーツを着用しない
  • 面接官の質問を聞かずに勝手に話し始める
  • 声に覇気がない
  • 退出するときお礼も言わずに立ち去る

一見「常識的な事ではないか」と思われるでしょうが、こういったことができていない人が実際にいるのです。こういう礼儀・マナーが欠けていると判断された時点でその方の回答など面接官は聞く耳を持ちません。

形式的に淡々と最低限聞くべきことを聞いて面接を終わらせようと考えます。しかも短時間で終わらせたいと思います。

不採用通知を受けられた方で、こういった身に覚えがない方はご安心ください。決してこれら礼儀マナーで落とされたわけではありません。そもそもこういったケースで不採用となる方は私の経験上10人中2,3人程度です。ほとんどの方は一社会人としてきちんとされています。

ですからこの時点でご自身が人格否定ととられるような面接態度ではなかったのです。

そもそも事前にしっかりと面接対策を行って面接に臨もうとされる方々がこういったケースで不採用となるはずがありません。面接官としてもその方と対峙して感じるのですが、しっかりと面接準備をしてきたかどうかわかります。多くの方は真剣に面接に望んでおられることから、ぜひご安心ください。

採用される席数は決まっている

これは面接を落とされた方には非常につらい話だと思いますが、正直いくら求人応募があっても採用できる人数は1名から2名なのです。

大体求人案件の求人募集要員は1,2名がほとんどです。そもそも多くの場合は欠員補充によるものが圧倒的であり、一度に5名も同時に退職するケースはなく、減った分だけ採用するのが会社の思惑なのです。

ですから面接を受けた方全員を採用するということはできず、経営的に人件費がかさむような判断はできません。一種の椅子取りゲームだと思っていただきたいのが本音です。事業拡張による大量募集などといった要件以外では採用される椅子の数は増えないのが現状です。

私の経験した中で書類選考後の面接で2名に絞り、面接に来ていただいたことがあります。しかしどちらも人材としては大変すばらしく、本音としてはどちらも採用としたいと本気で考えました。それほど甲乙つけがたい人材が二名もわが社を選んでくださったにもかかわらず採用できる人数は一名。社長も上司も最後まで苦悩され、最終的に泣く泣く一名を採用と決断しました。

もう一名の方には不採用の通知をお送りしましたが、正直別のタイミングで来ていただければ採用だったのにと残念でならない気持ちでいっぱいでした。

ですからだれか一人がとびぬけてすばらしく後は全員ふさわしくないなどの場合だけでなく、苦悩の末一名を決めなければならない苦渋の決断によるものだってあるのです。その中にはもはやその方の人格否定などのよそはありません。若干の経験の差や若干の年齢差などといった本当に少しの差なのです。お辛いかもしれませんが、この点の会社事情はご理解ください。

会社の事情による変更①

これは公然と言ってはならないことなのかもしれませんが、ハローワークなどに求人を出した後に会社事情により採用そのものを取りやめるケースがあります。

私の経験した実例を紹介します。ハローワークに1名採用の求人案件を出したとします。その理由がその職の担当者が退職届を提出したことによる欠員補充対策としての求人です。

その案件に対して数名の応募があり、その中から履歴書・職務経歴書を参考に書類選考という方法を行い、約2,3名に絞ります。その方がたに直接連絡し、後日面接実施を伝えます。

そして当日面接を行い、その結果をもとに一名を選ぶという段階になってのことです。もともと有望であったその退職希望者と上司との話し合いにより折り合いが付き、退職届は破棄し再度この会社で頑張りたいとの申し出がありました。そうなるともはや採用する意味などなくなり、会社都合により採用を取りやめざるを得ません。結局全員不採用という通知を送ったことがありました。

このように一方的かもしれませんが会社都合により求人案件そのものを取り下げるケースだってあります。ご自身には何一つ理由などありません。こういった会社事情が後々絡んでくることも割とあります。

それでも不採用と判断された方々にはそれまでの時間・気苦労などを考えると納得できないことでありますが、決してその方には何一つ問題がない点はご理解ください。

不採用となった理由としてこういったケースがあるのかもしれません。

会社の事情による変更②

上記と同じく会社事情により求人そのものを取り消すケースもあります。私の経験にはありませんが、他社においては急激な売り上げ低迷による業績悪化で、これ以上人件費をかけるなど余裕がなくなり、求人を取り消すといったケースです。

会社も様々な問題を抱えており、こういった急激な業績悪化の場合は人件費などのコストカットなどの方法を英断しなければならない経営判断が伴います。
ですから新規採用に時間もコストもかけていられない余裕のなさから不採用となることだってあります。しかもそういった事情はマイナス要因ですので社外に漏らすことはできません。

そういう意味ではこういった会社の今後の経営不安定さゆえにむしろ不採用となった方がいいのかもしれません。おそらくこういった経営不安定な状態での欠員補充であれば、給与待遇面にコストカットの刃が及び、その結果退職者が後を絶たず欠員補充の必要に駆られた末の決断かもしれませんし、そういった会社で働きたいと思わないのが本音ではないでしょうか?ご自身の採用後の未来に大きく重くかかわってきます。

ご自身には何の理由もないのですからモチベーションに影響させるのはもったいないです。

まとめ

以上面接を不採用と判断する理由を紹介してまいりました。

落とされた理由が何も礼儀マナーが欠如していた、スキルが不足しているなどによるものだけではなく、こういった会社事情によるものだってあります。しかもこういった理由は直接ご本人には通知できないだけに、ご本人も悶々とし、モチベーション低下などを招きやすいでしょう。

しかし今一度ご参考にしていただき、明日以降の面接に向けてモチベーション維持にお役立ていただきたいと思います。

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