私は常務取締役として人事担当も兼ねており新卒、中途入社の方の面接に7年ほど携わっています。
実は企業が求めている回答と面接者が答える回答にはズレがあるのです。面接に対して内定を勝ち取るために勉強すればするほどこのズレは大きくなります。
意外だと思うでしょがこれは事実です。本日はこの点についてまとめさせていただきます。
目次
面接のコツは「自分らしさ」
もっと自分らしさを出してください
ここ最近の新卒の方の回答は素晴らしい。ただし、皆さん同じような回答で全く個性が見えません。
人事担当としてはこの方はどの部署で活躍してくれるのかという期待を込めて質問を投げています。
その方の個性を見抜いて適切な部署に配置したいと考えているのです。
沢山勉強した方ほど素晴らし回答を返してくれるのですが全く個性が見抜けず採用しにくく感じるものです。
面接に関しての勉強は非常に大切です。言葉遣いや態度など学ぶことは沢山有ります。この学んだことを基礎としてしっかりと自分の考えを回答として返してほしいと願っています。
この点を理解しておらず、悪い印象を与えない綺麗な回答をすることだけに集中しすぎている方が多いのです。それだけで他人と差別化を図ることができ優位に立てるのです。
実は細かいところまで見ています
面接とはいかにライバルより自分の方が優れているかをアピールする場所です。その為、減点になるような要因は全て取り除いておいた方が良いでしょう。
写真が少し斜めに傾いていたりサイズが枠よりほんの少し小さかったりと写真の貼り方が雑な方が結構いらっしゃいます。
本人はこの位大丈夫と考えているのかもしれません。
こういう方とお会いすると挨拶やマナーも完璧。面接の受け答えも問題無し。ただ写真の貼り方だけに難ありです。
しかし、こういう方は正直、お断りさせていただきます。
理由は仕事に携わるようになれば新入社員だったとしても顧客はプロとして見ているので例えば、お見積りを作成する際、社印を押します。
電子化が進んだとはいえ、今でも実際に捺印した書類の提出を求められることが多々あります。
そういう時に、少し斜めになっているが良いだろうと判断されては困るのです。
確かに、少し斜めになっていても相手に伝える内容はしっかりと伝わります。
などと悪い意味で勘ぐられてしまいます。
お取引先とは信頼関係が大切であり、お互い、ビジネスですから妥協のないお付き合いが求められます。その為、ちょっとしたミスに気づいていながら妥協する方に大事な仕事を任せるのに不安が生じてしまうのです。
攻める気持ちが大事です
面接の際、ミスをしないようにという気持ちが前に出過ぎて守りに入っている方を多く見かけます。
こういう方は社会に出た時にパワフルに攻める仕事が出来なと判断して前向きに採用を検討しようという気持ちが薄れてしまいます。
企業は今後の成長と発展のために日々、攻めながら成長することを念頭に置いています。その為、社員にはもっとアグレッシブにパワフルに攻める活躍を期待しているのです。
ここ数年、こういった新卒者が少なくなってきました。
入社前に準備している学生が極僅かですが居るのをご存知でしょうか?
自分の就きたい仕事のためにその仕事に繋がるアルバイトを経験している学生が居るのをご存知でしょうか?
例えば営業補佐のアルバイトや実験補助のアルバイトです。
この点は非常にプラスです。
ここまでしっかりと準備している方は企業としても雑には扱えないのです。
相手が本気だからこそ企業も本気で対応します。
言葉だけでなく実績として本気度をアピールされると断れないのが面接官です。
ぜひ、面接前に自分の飛び込む業界を少しでも経験しておくことを強くお勧めします。
企業に入って何が出来るのかをアピール
入社してから何が出来るのかという点のアピールが弱い方が多くいらっしゃいます。企業としてはこの方はうちで雇ったら何をしてくれるのかという点に非常に興味があるのです。
『報連相をしっかり行って企業の歯車となり結果をあげていきます』のような回答を多く聞きますが少し物足りなく感じています。
- この業界は○○が今後伸びると言われています
- 御社の○○が今後の売り上げUPに繋がる商品と考えられます
- 実際に店頭のもっとも目に付く場所に御社の○○が並んでいるのも拝見しました
- 私が希望する部署は幸いにもこの商品の担当なのでしっかり売り込んで実績に繋げたいと思います
など、具体的な回答をするよう心掛けてください。
しっかりと企業とその業界の分析をしていれば面接官の心を引き付ける回答が出来るはずです。