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私は普段は総合コンサルティング企業でクライアント先でのプロジェクトワークに従事していますが、新卒採用の面接官(グループディスカッション)として指名された経験があります。グループディスカッションについては色々と対策が練られているようですが、その中でもチェックポイントを新卒/第2新卒者にこっそり教えます!

人事担当から見たグループディスカッションの意義

人事担当にとって、グループディスカッション(1次面接)は実務能力のキャパシティを見極める場です。

このグループディスカッションで各志望者の大体の能力値を測り、その結果をもとに2次・3次と面接を進めます。

2次面接ではグループディスカッションでの評点を見ながら、1対1で会話してグループディスカッションでの評価を補正し、その候補者が採用したい水準に達していれば他社選考状況を確認してこちらが内定を出した場合に本当に入社してくれる可能性がどの程度あるか見当をつけます。

3次選考(私の会社ではこれが最終です)では、重役クラスの人間が、志望者のうちの会社への適合性を最終的に判断し、採りたいと思った候補者に対しては口説きにかかります。

よくあるグループディスカッション対策は無意味

グループディスカッションというのは恐ろしいもので、一度入社してしばらく働いた人間が目の前にいる候補者を見ると、大体入社後どういう役回りを果たせるか見通し付きます。そして、その評価は大体の場合において複数の人間が見て意見が一致します。

ですから、「司会」がいいとか「発表者」がいいとか「タイムキーパー」がいいとか、そういう次元で色々対策してもあまり意味がありません。

はっきり言ってどんなに取り繕っても大体の能力値は測れてしまいますから、「無駄に気負わない」点に尽きるかと思います。「自然体」でいられる平常心こそ重要です。

では有効なグループディスカッション対策とは?

本当に有効なグループディスカッション対策は、能力値を高めることにつきます。

能力値は、学生時代に様々なことに主体的にチャレンジし、失敗し、その失敗原因を分析して、そして成功するに至った経験を積むことで上がるものです。

とはいえそう言い切られてしまっては、(第二)新卒の志望者の方は困ってしまいますよね。就活もある種のゲームですから、即効薬があれば使っていきたいものです。

私が思うに、多くの(第二)新卒者の死角になっているのは、ずばり「発言していないとき」の態度です。

「発言していない」ときにその人の素が出る

ネットで「GD対策」と打ってヒットするページを見ると、大体「何をどうするか」という点に主眼を置いてアドバイスしていますね。

しかし、複数の人が議論する場では、当然自分の発言していない時間帯もあるはずです。グループディスカッションは演説ではありませんのでね。

発言していない人でも何か書いている人は思考力ありと見る

ディスカッション前半で発言があまりない人でも、一生懸命にメモを取ったり、何か自分の思考を紙にまとめている様子が見えれば、「この人は考えているな」と思いますし、ただ不安げにキョロキョロしているだけの人なら、「Outputはあまり得意でないかな」と見当をつけてしまいます。

懸命に何かを書きなぐっていた人が、唐突に議論の方向をひっくり返すような(そして往々その筋は論理的な)ことを言い出したりします。
こういう人は高く評価されます。論理的思考力もあるし、悪い流れを正すリーダーシップの芽も見出せますので。(司会役をかって出た人でも他の人が話しているときにメモを取っていなければ知的生産性がないとみなす)

司会役をかって出た人がいるとして、メンバーの発言のメモを取っていないようなら、「本当に議論をリードする気があるかな」と少し疑います。目線が明後日の方向を向いているようでしたら、「これはただの目立ちたがりだな」と思います。

大体そういう風に見立てた人の議論の持っていきかたは、はなから自分の結論は出ていて、他の人の発言を無視するか、強引に自分の結論に引き付けてようと強弁するだけです。とすると複数人で議論する意味がありませんので、この人は議論の作法を知らないとみなして評点を落とします。

※私なら落とします。大学のゼミで議論の作法くらいは学んでいるはずですから。

手悪さをする人は精神年齢が低いとみる

おそらく当人は気づいていないのでしょうが、手持ち無沙汰になっている際に、手悪さをしていたり、足をぶらぶらさせていたりする人がいます。

こう言う行動は自分の精神を統御できていないことの現れと言えますので、精神的な未熟さを疑います。精神的に未熟では実務を安定的に遂行することがおぼつかないので、やはり評点を落とします。
(GD中表情が激変する人は誠実さを疑う。表情が常に不自然なくらい笑顔ならマニュアル人間であるか疑う)

発言しているときと発言していないときで表情が全く異なる人は、人間的な誠実さを疑います。

逆に、終始作り笑いを続けている人は、マニュアル人間ではないかと考えます。やはり発言しているときと発言していないときで表情が違うのは自然ですのでね。

グループディスカッション中の表情の変化が人間として自然であるかどうかは、その人が誠実か否か(表裏がないか)を見る意味で、注目しています。

「話していないときこそみられている」という意識で

というわけで、「話していないときこそ面接官に見られている」という意識で、グループディスカッションに臨むことは、多少他の志望者と差をつけるためのテクニックと言えるかもしれません。なぜなら、ほとんどの学生はGD中に「話すこと」に集中しているからです。

グループディスカッションの講評の後聞かれる質問と参考回答

あと5分くらい時間がとれるんだけど、何か聞きたいこととかないかな?なんでもいいんだけどね。

A1.実際の仕事で、「タイムキーパー」とか「司会」とか決めたりするんですか?
→A+
A2.私個人としてはXXXXXXというチーム結論はちょっとXXXXXな理由で納得がいかないんですけど、○○さんはどう思いますか?
→A
A3.実は御社について聞きたいことがありまして、(うちの会社の具体的な業務についての具体的な質問)→A

A4.実は御社について聞きたいことがありまして、女性社員の方って、結婚や子育てについて仕事と折り合いをつけていますか?

やり取りの中で質問者に具体的なライフプランがあることがわかる→A

やり取りの中で質問者に具体的なライフプランがあるようには見えない→B

A5.実は御社について聞きたいことがありまして、(採用ページに乗っているようなキーワードの入った抽象的な質問)→B
A6.○○さんは、この課題についてどう考えますか?→C

※A2とA6の評点が全然違う点に、注目してください。

まとめ

というわけで、グループディスカッションの特効薬は「発言していないときの言動に気を付ける」です。

ですが、本質的な対策は、学生時代に色々なことを試み、失敗と成功を繰り返すことです。

そしてグループディスカッション当日は、「何があっても動じない」精神力をもって受験会場にやってきてほしいです。

 

以上になります。
色々あるでしょうが、あまり気負わず、就活頑張ってくださいね。人間、最終的には落ち着くべきところに落ち着きますので。

 

 

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