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就職活動には必ずと言っていいほど面接はつきものです。と同時に面接に対する緊張もつきものです。時には緊張のあまり不安に押しつぶされそうになったり、逃げ出したくなったりします。第一初対面の面接官に対峙して行うのですから、なおさらです。

しかし実は面接官も同じく緊張しているのです。あくまでマシンとしてそつなくこなすのではなく、心情によって動かされている人間なのです。面接はまさに心情の探り合いそのものだとも言えます。

ここでは人事・労務管理業務を担当してきた私の観点から、面接官の面接時に考えていること・見ている部分などその心境などをご紹介したいと思います。

面接に緊張はつきもの

面接を受ける前に誰だって緊張するものです。そんな時こんなことを考えたりしたことがありませんか?

  • 「面接ではどんな質問をしてくるのだろう?」
  • 「すごく難しい質問をしてきて困らされないだろうか?」
  • 「第一面接官はすごく厳しくて怖い人ではないだろうか?」

などなど。当てはまる方は多いのではないでしょうか。それだけでモチベーションが揺らいでいるはずです。

これらの心情は当然です。なぜならばよほどのことがない限り、面接時に対峙する面接官などの人事担当者は初対面の方が多いからです。初対面の人にいきなり自分のこれまでの職歴やこれからの自分の熱意などを質問回答によってさらけだすのですから。

普通初対面の方にいきなりこういった会話をするはずがありません。しかもその内容次第で自分の採否が決まるのですからなおのことです。

そう考えると、面接で緊張すること自体が当然のメカニズムのようです。

しかし実は人事担当者として数多くの面接に携わってきた私から言わせれば、実は面接官も一種の緊張をしているのです。

 

面接までの流れとしてはまず履歴書・職務経歴書を先に郵送する書類選考という方法から始まるケースが多いと思います。

人事担当者はそれらにすべて細かく目を通し、選考します。なかには内容に目を見張るほどの方もおられますが、正直その時点では採否を決定できません。職歴などが大変すばらしい内容でも、資格・スキルが豊富でも結局は実際にあってみないことにはわからないのです。

正直書類選考だけで判断できるのであればそもそも面接自体を行う必要がありません。

ですからこういった緊張するメカニズムである面接をわざわざ行うのは、書類だけではうかがいしれないその人の人間性を聞いてみたいのです。

 

しかし面接官としても、「これほどの職歴の人だけど本当はどんな人だろう?」「経験豊富だけど、履歴書の写真がすごく怖そうだし、面接でうまく質問できるかな?」「変な回答をしてきて、こちらが困らされないかな?」などと思ってしまうことも多々あります。

面接官も実はわからないことだらけですし、分からないゆえに不安に駆られることも実は多々あるのです。結局はお互いの思惑からくる緊張のぶつかり合いが面接であり、それらを明らかにするのも面接なのです。

一番聞きたいことは決まっている

面接にて多くの質問を投げかけ、それらに回答していきます。

その問答集などは書籍などにてマニュアル本などとして販売されていますので、おおよその内容はご存知かと思います。特に新卒の方などは重宝しているのではないでしょうか。私もこういったマニュアル本に目を通すことはありますが、おおよその部分では実態に即したものだといえます。

我々人事担当者も実は面接にあたり、聞くべき項目などを羅列した一種のマニュアルともいえるべき問答集を持っています。

その中では職歴の確認や志望動機などスタンダードなものから、弊社独自の質問など様々です。ですから市販されているマニュアル本は大まかにはカバーできると思いますが、面接という場は求人応募者としては予測不能な質問をされる場でもあると認識しておいて下さい。

ここでいう予測不能な質問とは口外できませんが、なぜこういった方法をとるのかといえば、相手の心情及びリアクションなどにおいて素の部分がうかがい知れるきっかけでもあるからです。

ある程度はマニュアルに即した内容で質問しますが、時折変な質問をすると大概の方は少々驚かれた表情をされます。

そして少々パニックになりながら回答されますが、人間は正直こういった場面が一番素をさらけ出す時でもあり、その人の人間性を一番うかがい知れる時でもあります。

 

ただ予測不能な質問、マニュアル本に即した質問など様々織り交ぜながら面接を行っていくのですが、正直一番聞きたい内容は決まっています。

それは「本当にわが社で一生懸命働いて、長年勤めて貢献してくれるのか?」ということです。

 

結局一時間かけて面接を行っても、この部分が採否を左右するのです。というよりもすべてはこの部分を引き出すための内容ともいえます。

どんなにこれまでのご自分の職歴を熱く語っても、この部分があいまいなままでは人事担当者としては腑に落ちない印象を持ってしまいます。逆にこれまでの職歴をうまく語れなくとも、これから自分自身一生懸命働きたいという気持ちが伝われば、面接官と言えども同じ人間、心情を揺さぶられます。

ですから面接前にご自身のモチベーションを高め、緊張の中この会社で働きたいいう気持ちをうまく伝えれば、かなり良い結果を期待できるのだと思います。

一番印象に残るのは礼儀、そして笑顔

面接を行う際中、緊張のあまり顔がこわばってしまっているかと思います。そして緊張のあまり普段取らないような行動をとってしまうことだってあります。

面接で数多くの質問を行いますが、実は上述のような回答をする以上に印象に残ることがあります。それはその方の礼儀と笑顔です。

まず礼儀について。入室する際にドアをノックし、席の前に立ち、自己紹介をして面接官に勧められて着席する。面接時は相手の目を見てしっかりと話し、手は終始膝の上に。面接が終われば挨拶をし、席を戻し、退室する。これらが面接を行う上での一連の礼儀です。

ただ緊張のあまり、どこかがぎこちなかったり、どこかの過程が抜けたりします。ですから礼儀とは自然体で行うためにも普段からいかに心掛けているのかということであり、そういった部分は面接官の中で印象として残ります。要は面接のためだけの礼儀作法なのか、普段の生活から行っている礼儀作法なのか、そういった見方をしてしまいます。

そのため終始とどまることなく自然体でこれら一連を行う方は、面接終わりであっても面接官の中で非常に印象に残りやすいといえます。

そして面接において一番採否を左右するといっても過言ではないのが笑顔です。

これまで数多くの職歴・スキルをお持ちの方が面接に来られましたが、なぜか不機嫌で笑顔がなく、こちらも気分が沈んでいくかのような空気を作られた方がおられます。

自己紹介で「協調性を大事にしている」とは言うものの、正直これほど無表情の人と周りの従業員がうまくやっていけるのだろうかと心配になります。この点においても上述の通り、結局は書類選考だけでなく実際にあってみないとわからないことだといえるのです。

その反対に終始にこやかに笑顔で、そしていきいきと語る方はこちらも質問していてなんだか楽しくなる瞬間があります。

そして「職歴やスキルはちょっと足りないけど、こういう人なら周りともうまくやっていくだろうし、周りの方も自然とバックアップしてくれるだろう」と一種の期待を抱きます。

面接官はあくまで人間です。採否を決定するだけのマシンならば、いくら笑顔を投げかけても効果はありません。しかし人間はこういった場においても、笑顔たっぷりの明るい人は特に好印象として残ります。

ですからモチベーションを上げる方法としては、まずは自分自身が笑顔で臨むことです。面接は何も怖い場所ではなく、あくまで面接官という人間と向き合って落ち着いて会話をする場です。

何も恫喝などは決してしません。ですからご自身の内からくる笑顔で臨んでほしい。それこそが採用への近道だといえます。

まとめ

以上面接官の面接時における心情などを紹介してまいりました。何度も言っておりますが、面接官はマシンではなくあくまで同じ人間です。緊張もしますし、心情に揺り動かされることもあります。

同じ人間だからこそ、その方の人間性・礼儀・笑顔などは、面接において大きな武器となります。だれだって人間性が良いと思える人と一種に働きたいはずですし、その判断をもって面接官も採否を決定します。

なによりもモチベーションを上げる方法としては、緊張もありますでしょうが、まずは笑顔で臨むことです。その気持ちは面接官に伝わります。

どうか採用を勝ち取られることを期待いたしております。

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