プロスポーツクラブの経営や大会運営など、華やかでやりがいもありそうなスポーツビジネスに興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
ですが、スポーツビジネスは就職先としては狭き門となっています。
新卒の就職先としてスポーツビジネスを選ぶ際に必要なことをこれから説明させていただきます。
目次
スポーツビジネスは狭き門
スポーツは今や多くのプロチームが存在し、イベントも多くありますので人の目に付く機会は非常に多いです。
そのため、さぞかし働いている人も多いと思いきや、実は就職先としては非常に狭き門となっています。
まずはスポーツビジネスの実情からご説明しましょう。
利益があまり多くない世界
スポーツビジネス、特にプロチームの経営は一部の人気スポーツの人気チーム以外はそれほど利益をあげられていないのが現状です。
メディアへの露出があるので一見華やかに見えますが、経営状態は中小企業クラスで、中には常に倒産の危機に瀕している場合もあります。
そうなると人件費にあまり割くことができず、ましてや新卒を取ってじっくりと育てるといことが考えにくいケースが多くあります。
そのため、新卒で入社するのはハードルが高いのです。
求人を広く行っていない
スポーツビジネスに興味を持っていてもなかなか見つからないなと思いませんか?
それもそのはずで、スポーツビジネスはあまり大手の求人サイトなどには広告を載せていません。
それは新卒を取る気がなかったり、取っても1人くらいであったりという理由の他、求人広告は費用が高いからということも挙げられます。
利益がギリギリの中で広告を出すのは難しいですし、ごく限られた採用枠に人気が殺到されても採用試験のコストがバカになりません。
そのためひっそりと募集されることとなるのです。
即戦力を欲している
先に書いた内容にも重複しますが、スポーツビジネスはとかくハードな条件の仕事になりがちです。
そうなると求められているのはすぐに活躍できる経験値の高い人ですので、新卒よりも中途採用の方が圧倒的に多くなります。
本気でスポーツビジネスでの企業で働きたいのであれば、他の企業を経由する可能性も頭に入れておいてください。
スポーツビジネスの企業に入社する方法
狭き門であるスポーツビジネスの業界に新卒で入社するには、普通の就活をしていただけでは足りません。
自分の夢を叶えるために、より一層の努力が必要となることを覚えておきましょう。
とにかく探しまくる
大手の就活サイトでは募集をかけないことが多いのは先述の通りですので、スポーツビジネスに進みたいのであれば、自分でとにかく探しまわることです。
運営会社のHPでは募集をかけているケースはまだ楽な方で、非公開で募集をかけていたり、そのスポーツの専門誌でひっそりと告知している場合もあります。
本気でスポーツビジネスをしたいのであれば、あらゆる手段を使って探し当てるくらいの覚悟が必要です。
直接売り込むのも一手
スポーツビジネスは常に人不足ですので、求人はできていないものの人材は欲しいと思っているケースもあります。
なので自分から積極的に売り込むというのも一つのやり方と言えるでしょう。
特にスポーツビジネスの場合は、積極的な営業活動や自主的に動く姿勢が他の業種以上に求められることになりますので、採用の予定がなかったとしても興味を持ってもらえる可能性はあります。
自分の強みをアピールすることは同じ
スポーツビジネスだからといって特別にアピールしなければならないことというものはありません。
積極性や計画的に行動できることをアピールする必要はありますが、それは他の業種でも同じことですよね。
しっかりと自己分析をして、どうしてスポーツビジネスをしたいのか、自分のどこか活躍できるのか、という志望動機を伝えることができれば問題はないはずです。
遠回りも視野に入れる
スポーツビジネスは狭き門であることはお伝えした通りですが、どうしてもやりたい仕事なのであれば、多少遠回りすることも検討してみましょう。
現時点では即戦力にはなれないので入社が難しかったとしても、別の会社で経験を積んでからであればチャンスが広がります。
最初は間接的な仕事から始めて、数年後に本命を狙うというルートもあり得ます。
スポーツビジネスを始める場合の心得
スポーツビジネスに就職しようとするなら、生半可な気持ちではいけません。
もちろんどんな仕事だって生半可な気持ちではできませんが、スポーツビジネスはより一層の覚悟が求められます。
スポーツビジネスは超忙しい
何度も繰り返しますが、スポーツビジネスは人手が不足していて非常に忙しい業界です。
イベントがある時は休みも満足に取ることができないですし、残業も多くなるでしょう。
それでいてお給料面がそれほど充実しているわけではありませんので、やりがいを心から感じることができなければなかなか続くものではありません。
また、一人で何役もこなさないといけないので、自分の得意不得意な分野などに構ってはいられません。
自分の力を100%以上発揮してもまだ足りないくらいですので、精神的にも肉体的にも強さが必要です。
本当は何がしたいのかを自分に問う
水を差すようで申し訳ありませんが、スポーツビジネスを目指す人は本当にその仕事がしたいのか今一度自分に問いかけてみてください。
華やかな仕事でやりがいがあって楽しそうに思えますが、そんなに甘い世界ではありません。
また、生活のことを考えればプライベートの犠牲も多く払うこととなりますので、考え方によっては夢が叶ったところで幸せとは言えないかもしれません。
スポーツが好きだからや、学生時代はイベントを企画してきたから出来そうなどといった安易な感覚では通用しませんので、しっかりと考えるようにしましょう。
コロナの展望も
スポーツビジネスはこれからどんどん伸びる業界だと個人的には思っています。
働き方改革や技術革新で余暇が増える今後は、「コト消費」が伸びてくる可能性は高いと言われていて、究極のコト消費とも言えるスポーツビジネスには風が吹いています。
また、最新テクノロジーとスポーツの組み合わせも日々研究されていて、今までにないサービスも次々と出てくるでしょう。
しかし2020年の新型コロナウィルスの影響はスポーツ界にも大きすぎる影響を与えました。
延期になった東京オリンピックや中止となった甲子園などスポーツイベントは大ダメージを受けました。
プロの試合は無観客試合となり、集客による収入という大きな柱も失われています。
今後も同じような状況が起こらないとは誰にも言えず、大勢が集まってみんなで楽しむというスポーツのビジネスモデルは当てはまらなくなってくるでしょう。
急激な変化に対応し、新しい方向を常に模索することも大切になります。
まとめ
スポーツビジネスは魅力的な業界ですが、入社までのハードルも高い仕事です。
それだけやりがいも多く成長できるチャンスが沢山ありますので、目指すことでいろいろと学ぶことも多いでしょう。
しかし華やかさの裏には厳しさもありますので、しっかりと考えたうえで進路を選んでくださいね。