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離職志望企業を探す時に気になってしまう項目の一つに離職率があるのではないでしょうか。

退職する人の割合を示すデータだけに、入社しても辞める人が多いのは不安材料にもなりかねません。

ですが、確かに不安な面もありますが、離職率の高い企業が必ずしも悪いとも限りません。

今回は離職率について見方を考えてみましょう。

 

離職率の捉え方

離職率という言葉はなんとなくイメージが良くないかもしれませんが、まずは捉え方を理解しておきましょう。

捉え方によってかなり印象は変わってくるはずです。

 

3年での大卒離職率は約3割

厚生労働省が2019年に発表した2016年3月に大学を卒業した人の離職率は32%でした。

3人に1人は新卒で入った会社を3年で辞めていることになるのでこれは少しショッキングな数字とも言えるでしょう。

ですが、私が新卒で入社した際の同期もそのくらいは辞めていたのでリアルな割合ではあると思います。

ちなみに高卒は39.2%とさらに高い数字になっていますので、長く働くことはなかなか大変だということがよくわかるでしょう。

3年以内に退職するということは人材が一か所に留まらずに短期間で流動的に動いているということです。

定着できないとみることも、短期での転職も珍しい話ではないともみることができますのでこの数字は参考程度に捉えておけば良いでしょう。

 

業種で離職率は変わる

全体の離職率は約3割ですが、離職率は当然業種によって変わってきます。

最も高いのは「宿泊業・飲食サービス業」でその割合はなんと50.4%ですので、半数は長続きしていないということになります。

理由は様々でしょうが、ハードな業界だけに定着は難しいようですね。

同業他社はいくらでもあるので転職しやすいというのも一か所に留まらない理由に挙げられそうです。

反対に離職率が低かったのが「電気・ガス・熱供給・水道業」のいわゆるライフライン系でたったの9.2%でした。

絶対的に安定している業界だけにあまり辞めようと思わないのかもしれませんね。

 

3年持てば長続きする説

就活をしていると一度は耳にしたことがあるでしょうが、「入社したら3年は我慢した方がいい」と思っている人は非常に多いです。

離職率も3年以内のもので公表されていますね。

「石の上にも三年」という諺はありますが、実際のところ3年は我慢するという年月にそこまで納得いく根拠はありません。

1年間は通して働かないと感覚がつかめない仕事もあれば、数か月で雰囲気は十分にわかる仕事もあります。

3年働かなくても自分が進みたい方向が見えるのであれば、辞めたい気持ちを抱えながら時間の無駄遣いを使うよりも転職した方が良いでしょう。

ただし厄介なのが今だに短期で離職する人は根気がないと決めつけてしまう人も少なくないということです。

その意味ではこの3年以内に辞めた3割の人たちは苦労されていたかもしれませんね。

 

離職率が高い会社は危険?

離職率が高い原因はいったいどこにあるのでしょうか。

就活をしている側としては離職率が高い会社はやはり危険だという印象を持ってしまうのではないでしょうか。

企業側に問題があるケースの例を挙げてみます。

 

給与面の問題

仕事はお給料のためにやる部分も多々ありますので、給与面に不満があれば辞めたくなるのも当然と言えるでしょう。

仕事の量や内容が給与に反映されていない場合もストレスになりやすく、このまま続けることができないと判断するケースもあります。

 

労働環境の問題

残業が異常に多かったり、休日出勤も当たり前のようにあると続けるのは難しいと感じやすいです。

まさにこの部分において、古い考えの人は会社のために尽くすのは社会人の務めと思っているために「我慢が足りない」と決めつけてきがちです。

職場環境環境は企業によってまったく違うので、おかしいと思えば企業側は早々に見切りをつけられることでしょう。

 

ハラスメントの横行

セクハラ、パワハラ、モラハラといったハラスメント行為が横行している企業は人材が育つわけがありません。

先に挙げた労働環境や勤務時間なども含めて社員の人格を無視するような所謂ブラック企業で長く働く人は少ないでしょう。

どんな企業でもハラスメントをする人はいますが、普通はそういった人はいずれ排除されます。

そうした仕組みも機能していない企業は危険と言えるでしょう。

 

厳しいノルマ

営利企業である限り多少は仕方がないことですが、ノルマが厳しい企業はやはり人も残りにくいです。

ノルマを達成できないことによって給与面で大きく差がついたり、強いバッシングを個人に行う企業も存在します。

それに耐えられず脱落してしまうことになる人は多く、企業側も初めからそれを見越して多めに採用していたりもします。

営業系の企業に多く見られるケースですので、入りやすいからと安易な気持ちで選ぶと後悔します。

 

人間関係の悩み

企業だけの問題ではありませんが、辞める理由に人間関係を挙げる人は少なくありません。

こればかりは運や個人の相性も絡んでくるので優良企業に入ってもあり得ますが、離職率が高い企業は雰囲気があまり良くない可能性は考えられます。

働いていて人間関係の悩みが最もストレスになるという人も多いので、OB訪問などで可能な限り企業風土は掴んでおきたいところです。

 

離職することになるのは企業のせいとは限らない

離職率が高い企業は良くない印象を持ってしまいますが、必ずしもその企業に問題があるとは限りません。

離職率という数字に必要以上に踊らされないように気をつける必要はあります。

 

就活が甘かったかもしれない

せっかく入社した会社をすぐに辞めてしまうということは、その人自身が仕事をする覚悟がまだできていなかった可能性も十分にあります。

就活時にきちんと企業研究をしていなかったり、仕事をするということに正面から向き合えていなかったために自分が思い描いていたものと違うというギャップを感じて辞めてしまうことになります。

よくあるパターンが、自分が志望している企業には入れたものの自分が願っていた職種とは違ったために不満を持つというものです。

仕事への覚悟や理解が足りなかったりすると陥りやすいので気をつけましょう。

 

ステップアップに向いているかもしれない

離職と聞くと印象は悪いですが、キャリアアップ転職であればポジティブな話と言えるでしょう。

企業の中には独立志向やステップアップ志向が強い人が多いところもあります。

自分もそのつもりであるなら、むしろ前例が多い企業は歓迎ですよね。

そうした企業は「離職率」という表現はしませんが、辞めている人が挫折して辞めているような印象は持つ必要がないでしょう。

 

まとめ

せっかく入社するならなるべく長く働きたいと思うのは自然なことでしょう。

その意味で離職率はある意味その企業への信頼指数のようなものですのでチェックはしておきたいところです。

なぜその離職率になっているのかというところまで含めて検討する必要はありますが、是非ベストな判断をするための材料としてみてください。

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