就職活動を始めると自分のやりたいことは何か、自分のやりたいことを仕事にしなければ、と考えてしまい、悩んでしまう方がいます。
やりたいことを仕事にできる、という人は実は一握りです。
多くの人は本当にやりたいと思っていたこととはちょっと違うことを仕事にしていたり、そもそもやりたいことがない、という人たちです。
そんな状況でも就職活動は進んでいきます。今回は「やりたいこと」に悩む人向けのアドバイスです。
目次
やりたいことがないのはいけないことか
自分はやりたいことがない、よく分からないということで悩んでいる就活生を見かけることがあります。
そして、就職活動についてアドバイスする人の多くは「本当にやりたいことはなに?」「やりたいことをまず考えよう」といったアドバイスをしてしまいがちです。
このようなアドバイスをされると、やりたいことがないとダメなのかと考えてしまう人もいることでしょう。
やりたいことがない、曖昧、よく分からないという状態は決して悪いことではありません。
まずはやりたいことがない、よく分からないということがなぜ起こるのか考えます。
![就活 遅れ](https://syukatsu.candouga.com/wp-content/uploads/2019/10/0e633a8be4e2772dc50e0fb9940b8de4-300x200.jpg)
就活生の段階では圧倒的に経験値が足りない
就活生の段階で「自分のやりたいことはこれで、将来これを成し遂げる」と言い切ることができればそれはそれで、明確な就職活動を展開できますのでいいことだと思います。
しかし多くの大学を卒業したばかりの就活生には圧倒的に経験値が足りません。
外から見ていたら面白そう、やりがいがありそう、やってみたいと思った仕事も少し内面を見てみればそうではなかったということはよくあることです。
このような段階でやりたいことが明確になっている、という状態を作り上げることの方がかなり難しいことなのです。
やりたいことがないことにもメリットがある
やりたいことがない、ということはある意味でフラットに就職活動を展開できるということです。
「これじゃなきゃダメ」「この仕事以外はイヤ」という方は業界をかなり絞った就職活動を展開することになりますが、やりたいことがフワッとしている方は、とりあえず広く浅く業界を見てみることから始めるといいでしょう。
それが多くの企業を見ることにつながり、これまでの経験では得難かった知見が得られるかもしれません。
そして、まずは広く浅く就職活動を展開していくことのメリットは他にもあります。
広い視点での業界分析ができる
昨今、企業を取り巻く環境は大きく変化しており、その企業の業界分析だけをしていれば次の新しい一手を打てるのかというと、そういう状況でもなくなっています。
例えば国内メーカーに就職しようと考えても、海外の情勢はどうなのか、次に来るトレンド技術はなんなのか、と幅広い視野を持っていることが今後はより大切になってくるのです。
広く浅く様々な業界を見て、自分のやりたいことを模索していく活動は幅広い知見を得ることにつながり、それが思いもよらないところで活きてきます。
たくさんの人に会うことができる
さまざまな業界の話をとりあえず聞いてみるとその間多くの人に出会うことになるでしょう。
やりたいことははっきりしていなくとも、「こういう人間になりたい」と思えるような人物に遭遇するかもしれません。
また、人脈というのはなかなか作ろうと思って作れるものでもありません。
たくさんの人に会い、たくさんの人の話を聞くことができるのも「自分はコレ」と決めていないから、と考えることもできます。
就職活動を進める中でやりたいことを見つけていく
始める時点でやりたいことがよく分からなくても、さまざまな企業の話を聞き、多くの人と接する中でぼんやりと何がしたいか見えてくるものです。
最初から、自分は何がしたいのかで悩むのではなく、やりながら見つけていくことができれば十分です。
就職活動はその後の人生におけるターニングポイントと成り得るイベントです。
無理に「やりたいことはコレ」と決めてしまうのではなく、就職活動しながら「あぁこれもいいな」「こっちもいいかな」と悩みながら決めていけばいいでしょう。
途中でやりたいことが変わってしまってもいいと思います。
就職活動を通して、少しずつ経験や知見を積んでいくことで気持ちが変わることはしょうがないです。
「コレと決めたからコレ」ではなく、柔軟にいつでも方針転換できるような姿勢で就職活動に挑むことが成功につながる道だと思います。
もちろん、「夢」があり、それに向かう人を否定しているわけではありません。
今回言いたいのは、やりたいことがフワッとしていてもそれは悪いことでもなんでもないし、悩む必要もないということです。